4
「ボランティア精神のように僕とつきあってくれませんか」
ボランティアってところがおもしろい。
「あ、それとも生理的に受け付けないとか? それだったらダメですけど」
そう言って体を離し、私の顔を覗いた。
その顔は幼子がしでかした悪戯を叱られるかもしれないという不安そうな表情にも見えた。
「ね、それならそうだと言ってください。理由なき嫌悪は僕が何をしてもだめだろうし、きっぱりと諦めます」
いっそのこと、うんって言おうかと思った。しかし、すぐに読み取られた。
「あ、だめですよ。今、うんって言っちゃえばって思ったでしょ。まったく受け付けない人っていうのはこんな顔をしていられません。ね、そうでしょ。例えばほら、毛虫っ」
ぎょっとして竹中から離れようとした。
「そうそう。そういうことが受け付けられないってことです。ああ、僕でなくてよかった」
相当なしかめっ面をしたらしい。
「鹿島さんの失恋の痛みが消えてからって思ったんですけど、つらそうな顔を見ていられなかったんです。少しでも僕といて気がまぎれるならって・・・・僕とつきあってもらえますか」
「つきあうって、ボランティアでってこと?」
「仮の恋人同士ってところかな」
それはダメだ。私を慰めるためになら余計にやめてほしかった。首を振ると彼の顔が曇る。
「私達、つきあわない方がいい。そんなふうに始まったつきあいに未来はない。私、今だけが楽しいっていうつきあいをしたくない」
「どうしてですか。どうしてそんなこと言うんです」
「だって、私達年が離れすぎてる」
「ってか、僕が年下だからですか。ただ後から生まれただけってことでジャッジしないでもらいたいんです」
「周りが変だって思うから」
「鹿島さんは周りにどう思われようと気にしない人だと思ってました」
「それは過信。私は一応人目を気にしています。これでもね」
「じゃあ、教えてください。もし僕との年齢差がなかったら僕とつきあってくれますか」
「同じ年齢か年上だったらね」
その答えは、絶対にそうなることはないから却下という意味だ。けど、竹中はにんまりとしていた。
「やった、ありがとうございます」
慌てていた。意味が通じなかったのか。
「だから、年の差がなかったらって・・・・」




