表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
66/74

「ボランティア精神のように僕とつきあってくれませんか」


 ボランティアってところがおもしろい。


「あ、それとも生理的に受け付けないとか? それだったらダメですけど」


 そう言って体を離し、私の顔を覗いた。


 その顔は幼子がしでかした悪戯を叱られるかもしれないという不安そうな表情にも見えた。


「ね、それならそうだと言ってください。理由なき嫌悪は僕が何をしてもだめだろうし、きっぱりと諦めます」


 いっそのこと、うんって言おうかと思った。しかし、すぐに読み取られた。


「あ、だめですよ。今、うんって言っちゃえばって思ったでしょ。まったく受け付けない人っていうのはこんな顔をしていられません。ね、そうでしょ。例えばほら、毛虫っ」


 ぎょっとして竹中から離れようとした。


「そうそう。そういうことが受け付けられないってことです。ああ、僕でなくてよかった」


 相当なしかめっ面をしたらしい。


「鹿島さんの失恋の痛みが消えてからって思ったんですけど、つらそうな顔を見ていられなかったんです。少しでも僕といて気がまぎれるならって・・・・僕とつきあってもらえますか」


「つきあうって、ボランティアでってこと?」


「仮の恋人同士ってところかな」


 それはダメだ。私を慰めるためになら余計にやめてほしかった。首を振ると彼の顔が曇る。


「私達、つきあわない方がいい。そんなふうに始まったつきあいに未来はない。私、今だけが楽しいっていうつきあいをしたくない」


「どうしてですか。どうしてそんなこと言うんです」


「だって、私達年が離れすぎてる」


「ってか、僕が年下だからですか。ただ後から生まれただけってことでジャッジしないでもらいたいんです」


「周りが変だって思うから」


「鹿島さんは周りにどう思われようと気にしない人だと思ってました」


「それは過信。私は一応人目を気にしています。これでもね」


「じゃあ、教えてください。もし僕との年齢差がなかったら僕とつきあってくれますか」


「同じ年齢か年上だったらね」


その答えは、絶対にそうなることはないから却下という意味だ。けど、竹中はにんまりとしていた。


「やった、ありがとうございます」


慌てていた。意味が通じなかったのか。


「だから、年の差がなかったらって・・・・」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ