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先日のラインのことを思い出した。その時の話題は私の誕生日だ。でもまだ二週間ある。確かにちょっと変だなと思った。
「本当ですよ。なんかショックだな。鹿島さん、全然僕のことに関心を持ってくれていないんですね。参ったな」
その目が竹中の机を見ろと言っていた。彼のデスクの上にはパソコンとファイルやらペンなどが散乱している。そして見つけた。会社から送られた六月の誕生日の人へのカード。
「鹿島さんの誕生日に食事に出かける約束をとりつけられたら、僕の誕生日も一緒に祝えるってすごく期待していたラインだったんですけど、見事に断られちゃって、もう言いだせなくなったんです」
そう言いながらも竹中の手がサンドイッチのパックを開けた。それは玉子サンド。先月の会話を思い出した。また今度、竹中の分も作ってくるっていう玉子サンドだ。
でも、今はあの頃のような孤独とはかけ離れた生活をしている。自分で玉子サンドを作るなんて思いだしもしなかった。竹中が玉子サンドを口に持っていき、食べようとした。その瞬間、待ったをかけた。
その手を掴んだから竹中が阿呆のように口をあんぐり開け、なにごとっすかという問いの目を向ける。
「待って。良いこと考えたの。誕生日おめでとう」
義務的にそう言って、止めた竹中の手から玉子サンドをひったくる。
「えっ」
かなり戸惑っている竹中の目の前に美佐穂が作ってくれた豪華弁当を差し出した。
「交換してあげる。でも今日だけ。そして誰にも内緒」
私はそう言って、もう文句を言えないように玉子サンドにかみついた。サラダもきんぴらごぼうも手繰り寄せる。




