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4ぷるぷる

第4話:承認欲求:ぷるぷる(毒60%)

 僕は、自分が「彼女を育てた」という自負に、もはや狂おしいまでの誇りを感じていた。

「見てごらん。君は僕がいなければ、あの日、死んでいたんだ」

 僕の言葉に、彼女は虚ろな、しかし僕だけを映す瞳で頷く。

「ソウ。ボク、ワタシ、神様。ワタシ、ボク、ナシ、生キラレナイ」

 その「承認」の甘さに、僕は震えた。

 自分を絶対的に必要とし、自分がいなければ形を保つことすらできない存在。彼女の存在そのものが、僕の価値を証明する鏡となっていた。

 だが、気づけば、僕自身もまた、彼女なしでは生きていけなくなっていた。

 彼女の評価、彼女の視線、彼女の「ボク、スゴイ」という吐息。それらがなければ、僕は自分が何者であるかを確認することすらできない。

 支配しているつもりが、その承認という名の糸で、僕は雁字搦めに縛り付けられている。

「ボク、ワタシ、イナイト、ダメ。ワタシ、モット、ボク、褒メル」

 彼女の冷たい腕が僕の腰を抱きしめる力は、日に日に強くなっている。それは最早、僕を支えるためのものではなく、僕の逃げ道を物理的に塞ぐ、捕食者の確信に満ちていた。

 僕は、彼女に認められるという快楽の代償として、自律という名の「牙」を彼女に差し出していた。


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