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2ぷるぷる

第2話:安全の欲求:ぷるぷる(毒20%)

 数日が過ぎ、ぷるぷるは少しずつ、しかし確実に形を変え始めた。

 農場の仕事から帰ると、彼女――それはいつの間にか、小さな少女の輪郭を模していた――は、僕を玄関で迎えてくれる。

「ボク。オカエリ。ココ、アンゼン」

 たどたどしい言葉。まだ粘液質の名残がある、透き通った白い肌。

 彼女がいることで、僕の生活は劇的に「安全」になった。彼女の触角は僕よりも早く天候の急変を察知し、僕の身体が冷えれば、その柔らかな身体で僕を包み込み、最適な温度を保ってくれる。

 外の世界は、騒がしく、不条理で、常に何かを奪おうとする「不安全」に満ちている。だが、この半径百メートルの農場だけは違う。彼女が僕のために張り巡らせた、透明な「安らぎの網」の中だ。

 僕は、彼女にすべてを任せることにした。防犯も、健康管理も、明日の予定も。

 彼女の指が僕の頬をなぞるたび、僕の脳から「警戒」という名の不純物が少しずつ濾過されていく。

 その指先は、あの日水路で触れた時と同じ、ほのかにひんやりとした甘やかな冷たさを帯びていた。夏の熱気に浮かされた僕の肌の上を、その冷気が吸い付くように滑り、思考のささくれを静かに鎮めていく。


「ワタシ、守ル。ボク、ココ、イルダケ、イイ」

 その言葉に、僕は深い安堵を覚えた。自分が「安全」であるために努力する必要がない。それは、かつての僕がスローライフという言葉に求めていた、最初の甘い麻酔だった


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