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第九話

◈◈◈◈◈◈◈


ログアウトして、一息つく。


植物魔法を頑張ろう!って言ったんだけど、大変だった。


いや、前に植物魔法を練習したとき、大きい木になっちゃったって言ったじゃないですか?

大きい木があったら、どこまで大きくなるか気にならない?

気になるよね?


だから、植物魔法をめっちゃ使ってレベルを上げようと思ったんだけど、木が成長しすぎちゃって、私の木――バナナの木が飲み込まれそうになってるんだよね。


今、根元のあたりが覆われちゃってる。

危機感を感じてなかったら、全部覆われてたかもしれない……。


「あと十秒以内に、リビングに来なさい?」


って、お母さんがお怒りだ。

考え事してて、お母さんの声が聞こえてなかったからな。


「「すいません! すぐに行きます!」」


こういうところは、やっぱり姉妹だよな。

いっつも私をからかって遊んでるけど。


◈◈◈◈◈◈◈


「で? 真昼は、何をやらかしたの?」


あの、やらかしたって決めつけるのやめてくれませんかね?

夕ご飯食べた後に、詰められてるんだけど、もう、決めつけられているの。


「絶対何かやらかしてるでしょ! お姉ちゃんのことなんて、丸わかりだもんね!」


いや、やらかしてないよ? うん。

やらかしてないはずだよ?


初めて魔物を倒せて、私が育ててる木がとてつもなく大きくなって、私を覆い始めちゃっただけだよ?

やらかしてないでしょう?


「まあ、やらかしてないって顔してるわね。」

「ほんとだ。往生際が悪いですね。」

「いや、本当に何もしてないからね?」


なんで、「本当かなあ?」って顔をするんですか?


しなくてもいいでしょう。


「「お姉ちゃんに限って(真昼に限って)、何もないなんてありえない。」」


ひどくない?


「まあ、今日やったことだけでも教えて?」

「あ、そうそう。初めて魔物を倒せたの! レベルも二十くらい上がったよ!」

「え、待って、そんなに上がるの?私たちは、何体か倒してレベルがやっと上がるんだけど?」


いや、当たり前でしょう。私の居場所がおかしいだけだもん。


「格上の魔物を倒すと、レベルが結構上がるんだって。」

「格上って、始まりの町の周辺には、格上の魔物、いないんだよ?」

「あたりまえでしょう?」


頑張っても、かすり傷しかつかないんだもん。

そう、言ってるのに。

あなたたち二人は、いままで何を聞いてきたの?


「魔法使っても、かすり傷しかつかないって、言ったじゃん。聞こえなかった?」


私、ずっと言っていたよ?

丁寧に説明してあげたよね?


「え、いや、言っていたけど、そこまでとは…。」

「どうせ真昼のことだから、バグか、変な仕様を当てただけだと思っていたのよ。」


……否定できないのが苦しい。


「あと、ほかにも一つ、ありそう。」


なんでわかるの?

もしかして……心が読める?


「おねーちゃん!お~しえてっ!」


やよい、自分がかわいいからと言って、上目遣いでかわい子ぶってはいけません。

その攻撃は、私には効きません。


「仕方ないから、教えてあげるよ。植物魔法のレベルを上げるために、一つの木を大きくしていたら、私のバナナの木が飲み込まれそうになったの。」

「真昼はいっつもやらかしてくれるわね。」

「本当に、それで、やらかしてないって言うの?」


なによ!あの、ふざけてるとしか思えない称号たちに比べたらましよ。


「っていうか、おねえちゃん、そんだけ植物魔法を育てているのなら、それで攻撃すればよくない?あと、植物魔法で、根っこごと自分を動かせない?」

「……やよい、天才!こういうときは、役に立つね!」


本当に、こういうところだけ。


「なんで『いっつも』だけを強調するの?」

「いつもお母さんと一緒に笑い転げてるからだよ。」


ね。本当に。


「あ、今日はもう、ゲームやらないでよ?宿題やって早く寝なさい。」

「「はーい」」


今日は、もうゲームにログインできないか。

やよいの提案を試してみたかったんだけどね。


◈◈◈◈◈◈◈


「真昼! そろそろ一緒に遊べない?私、頑張ってるんだけど……。」

「うっ。ゆあ、ちょっと待って!あと一か月くらい、本当に。お願いします!」


学校にいったら、ゆあに声をかけられた。


ずっと待たせてるんだよな。

いや、でも、「バナナだから遊べません」って言えると思う?言えないよね?

進化で、人間に見える種族にならないかな?


「仕方ないなあ。あと一か月だけだよ?これで弱かったら、鼻で笑ってあげる。」

「ありがとうございます、ゆあ様!」


助かる!

天使! 神! 女神!


そりゃ、拝むよね?

こう、頭を下げて、手を組んで。


「拝まなくていいから。やめて?ここ、教室だよ?」


ゆあ様が嫌がることは、しない!

なぜなら、ゆあ様は女神さまだからだ!


「変なこと考えないで?やめて?」

「あ、はい。すみません。」


なんでわかったの?

やっぱり、私の周りって、私の考え読める人、多いよね。


「顔に全部出るからね。」


え?嘘だあ!


「顔触っても、何もないからね?」


え、顔に出てるっていったの、ゆあじゃん。

本当に、私って顔に出るのかな?


「うん。出てるよ?」


な、なぜわかった?


「真昼、面白がって、全部口にしないのやめよ?」

「あ、はい。わかりました。」


声を出さずに会話できるか、試したかったのに。

……家で、お母さんに試してみるか。


「あ、真昼、そろそろ時間だよ。席に座らないと。」

「あ、ありがとう。」


席に座ったのとほぼ同時に、先生が教室に入ってきた。


マジで、ゆあ、ナイス!

ぎりぎりセーフだったよ。

タイトル考えるの、めんどい……

許して?

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