第十話
◈◈◈◈◈◈◈
放課後、家に帰ったら、すぐにシルオンにログインする。
今日は、この巨大な木から、植物魔法を使って、抜け出すぞ!
まず、自分のバナナの木を操るイメージで、魔法を発動。
そして、根っこを動かして、巨大な木から抜け出すイメージをする。
……難しい。なんか、巨大な木の根っこに、絡まれている感じ。
ちょっと、作戦変更だ。
植物魔法で、この巨大な木の、私を覆っている部分だけを操る。
自分のバナナの木の根っこから離すイメージで。
…できてる?
あ、一センチくらい、隙間ができてる。
って、やってるそばから埋まっていくじゃん!
待ってよ!なんで、思い通りにいってくれないんだ、このゲームは!
最初からやり直そう。
まず、隙間を作る。
そして、それを維持する。
その魔法を展開したまま、私のバナナの木を操って、抜け出す。
あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!
頭がこんがらがるって。
維持するところまではできるのに、動かすところが、できない。
これは、何度もチャレンジすれば、スキルをゲットできる気がする。
たぶん、「同時詠唱」とか。
だから、できるようになるまで、私はあきらめない!
◈◈◈◈◈◈◈(数時間後)
ピロリン♪
【《同時詠唱 Lv.5》が、《同時詠唱 Lv.6》になりました。
《植物魔法 Lv.64》が、《植物魔法 Lv.65》になりました。】
やっと抜け出せた!
本当に、頑張った。
途中で、《同時詠唱 》ってスキルを手に入れたんだよ。
けど、レベルと同じ数しか、同時に魔法を発動できないの。
だから、Lv.1だと、役に立たない。
ちょっと、運営に殺意が沸いたね。
いつものことだけれど。
そして、やっているうちに、植物魔法がレベル5も、同時詠唱がレベル6も上がったよ。
ついでに、私のレベルも、一つ上がったよ。
……植物魔法の練習に、この巨大な木を使いたいから、もう少し離れるか。
自分を動かすのは、簡単になったよ。
最初は両手で精一杯って感じだったのに、今は、片手間でできるような感じになった。
スキルレベルと、慣れってすごいね。(遠い目)
あ、もちろん魔力も、えぐい上がり方をしているよ?
たぶん、ランキングとかあったら、ぶっちぎりの一位だと思う。
断言できる。
で、これができたから、あと試したいのは、植物魔法で、魔物を倒すことだけだ。
イメージとしては、大きなツタが、貫く感じ。
行くぞ!!!
「ツタよ!行け!」
ネーミングセンスは、ないけれど、イメージはしっかりしているから、行けるはず。
って、ほぼ瀕死じゃん。
頑張って風魔法を使った意味は?
運営?あなた、風魔法と魔力操作を上げたら、って言ってたよね?
植物魔法は?
私のことを見ているなら、少しくらいの助言は、しろ!
じゃあ、もう一発。
えいっ!
ピロリン♪
【レベルが20上がりました。レベル50になりました。】
すぅ~~~~~~。(深く息を吸う音)
いいか、真昼、怒りを抑えるんだ。
冷静になれ。冷静、冷静、れいせい……
ふっざけんな!!!!!!!!
植物魔法で行けたじゃないか!
ちょっと自己嫌悪に陥りそう。
風魔法を鍛えた意味がなかった気がする。
ちょっと、現実逃避したい。
ステータス、お願いだから、嘘だといって?
――
プレイヤー名:なのは
種族:バナナの木
レベル:50
経験値:0 / 5000
所持金:0
HP:590 / 590
MP:5000 / 5000
攻撃力:275
防御力:275
敏捷性:275
ステータスポイント:49
スキル:
《風魔法Lv.18》
《植物魔法 Lv.65》
《MP自然回復・中》
《HP自然回復・中》
《片手剣 Lv.1》
《瞑想》
《気配遮断 Lv.4》
《魔力操作 Lv.17》
《同時詠唱Lv.6》
種族スキル:
《バナナ・クリエイト Lv.1》
称号:
《チュートリアル未満》
《デスループの住人》
《魔物断ち》
《身の程知らず》
《ジャイアント・キラー》
――
……うん、知ってた。
通知音が鳴って、メッセージが来てたから。
嘘じゃないってことは。
風魔法を鍛えた意味...…。
……シクシク……。
悲しい。
にしても、相変わらず、魔力がぶっちぎってるね。
何だよ、MP5000って。そろそろ、魔力切れも、起きなくなると思うんだよね。
たぶん?
そして、自然回復が、大に上がらない。
中から、上がりにくくなったんだよね。
大に上がるのは、もっと後になるかな。
……そろそろ、ステータスポイントを使いたいんだよね。
確か、スキルもとれるはずだから。
使えるスキルが、限定されるけど。
って、魔法がある!
魔法は、取得に、5ポイント使う。
そして、私がとっていないものが、
光・闇・火・水・土・無属性
なんだよね。全部とっても、19ポイントほど余るから、魔法を取るか。
ピロリン♪
【《光魔法Lv.1》《闇魔法Lv.1》《火魔法Lv.1》《水魔法Lv.1》《土魔法Lv.1》《無属性魔法Lv.1》を取得しました。】
このゲームでは、光・闇・火・水・土・風・植物が、一番、大まかなくくりなんだよね。無は、なんか、別というか、なんというか。
そして、それぞれの魔法を極めると、雷とか、氷とか、空間とか、ほかの魔法も使えるようになる。
頑張って、すべての魔法をそろえたい。
魔力の上り幅に関しては、魔力切れとかがあるから、結構適当に決めてます。
魔力が、一番、決めるのが楽!
計算が合ってなくても、魔力切れで増えたって言えるから。




