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電話の切れた後、放心状態でいるところへ珍しいメゾネット型の4LDK

マンションの1階に付いているパティオで奈々子に外遊びごっこをさせて

いたのだろう、手洗いさせて抱いたままの奈々子の手を拭きながら夫が

自分のところへ連れてきた。




「奈々子、今度はお母さんと遊ぼうか」


そう娘に言うと、桃に子守をバトンタッチしてきた。



「電話、誰からだった? お義母さん?」


「ううん、友達から……」


被りを振りながら桃は答えた。

娘の子守から解放された夫がゆっくりする為にリビングへと足を向けた

その背中に桃は言葉を投げた。



「ねっ、明日ってどこかへ出かけたりする予定あるのかなぁ?」

とそんな風に。



「あぁそうそう、言わなきゃって思ってたとこ。

午後から友達と会う予定があるんだ。なるべく早く帰るよ」


「そう……」


『早く帰るって、なに。……行くなよ』

と桃は言いたかった。



ここ最近休日に出かけたりすることなんてほとんどなかったのに。


桃は目まぐるしく頭をフル回転させた。


そしてデッサン教室の受付のスタッフに電話を入れた。

「体調が悪いので明日は休ませてください」と。



そして、次には母親に奈々子を明日見てほしいと電話で子守を

頼んだ。


そう、この時桃は、恵子の話していたホテルとやらに乗り込むことに

決めたのである。


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