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✿ 桜の華 ― *艶やかに舞う* ―   作者: 設楽理沙


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45 ◇食わせ者



 桃は植木との間で辞めるという取り決めをして教室を出たものの、最後に

もう一度やさしい男、植木の姿を見納めしてから帰ろうと思いたった。

 

 それで、急ぎトイレの中で下着を付け簡単に身繕いしたあと、彼がまださっきの教室に残っていたらいいのにと思いながら、校舎に出た。



 そして彼の姿が確認できる窓のところまで歩いて行った。



 確かに彼はまだそこにいた。


 しかし、なんということか――――!

 この時、桃に小さな衝撃が走った。



 なぜなら、妻や子供たちとの生活を壊せないからと自分の誘惑を拒絶していたはずの男が、部下のような立場の女……吉田照子から積極的で濃厚なキスを仕掛けられ、それを、彼は手慣れた態度と行動で受け入れていたからだ。



 ふたりの関係は、明らかに今回が初めてという雰囲気ではない。


 双方の身体の密着具合、植木の腕や手の使い方、吉田のこなれた甘え方や

しぐさ、そのどれもがその事実を物語っていた。


 しばらくふたりのラブシーンを食い入るように見ていた桃は、

そっとその場から離れた。




「あははははっ~、とんだ男だったってわけね。

 騙されるところだった。

 いや、騙されたけども~。 

 あいつ、とんでもない食わせ者じゃないの」



 そりゃあ愛人なのか、はたまた恋人なのかは知らないけれど、吉田みたいな

四六時中身近にいる女に近くで監視されているんじゃあ、モデルとなんか

イチイチゃできないよね。



 速攻奥さんに密告されて復讐されそうだもの。


 自制を働かせたわけでもなんでもなくて、自制しないといけなかっただけの話。



 植木のことを考えるにつけ、心から好きな相手ならいざ知らず、

適当な気持ちでよその男に手を出そうなんて100万年早かったと

桃は自重した。



 これ以上笑い者になるなんて耐えられない。


 そう思い、以後このような形でやけくそになることだけは避けようと

決意した。



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