特別回:来ましたわ!!夢の10000PV突破!!
「来ましたわ!!大台10000PV!!」
アリアが、よっしゃー!と叫び声を轟かせて、高く手を突き上げた。
そして、その勢いのまま、後ろに振り返った。
「シオン、スイ、フウお姉ちゃん、セツお姉ちゃん、ジェームズとダニエル&タスキ、わたくしの物語が10000PVに到達しました!!皆、ありがとう!!」
アリアは、嬉しさを身体全体で爆発させ、皆に感謝した。
「お嬢様、シオンは0が続く中でも、挫けずにここまで来れたお嬢様を心から誇りに思います。ううう、目から涙が止まりません」
シオンは感極まった様に、涙を瞳から溢れさせて揺れる視界の中、アリアに明るく微笑んだ。
「ありがとう、シオン。ずっと一緒に傍にいてくれて、本当にありがとう。シオン、大好きですよ」
アリアがシオンに感謝の気持ちから微笑んだ。
「お、お嬢様」
声を震わせながらシオンが、アリアの胸に飛び込んだ。
「もう、シオンたら。いつもと逆なんだから。まあ偶になら、わたくしの胸を貸してあげてもいいわね。シオン、もっとわたくしに頭を預けてもいいわよ。全部、受け止めてあげるわ」
よしよしと、胸に預けられるシオンの頭を撫でながら、穏やかな眼差しでシオンを見つめた。
「アリアお嬢様、私もお嬢様の御成長に、強く感動いたしました」
「スイにそう言って貰えて、わたくしは嬉しいです。ありがとう」
「嬉しいお言葉です。ああ、私は確かに胸が一杯に感激で埋まっています。頼りないお姿の私の娘が、ここまで大きく成長して、母親として、娘の成長にもう、どんな喜びよりも大きなものを受け止めています」
スイが、ニコリとアリアに慈愛に満ちた笑みを向けた。
「ヒメちゃん、お姉ちゃんもいつの間にか妹がここまで大きくなってくれたことに、寂しさを仄かに感じるけど、ヒメちゃんのお姉ちゃんとして誇らしく思えるよ」
フウが温かく微笑んだ。
「フウねえ、私もヒメに言いたいことがあるの。ヒメ、私も姉として、ヒメの成長をこの目で見られて、とっても嬉しいよ。ねえ、ヒメ。私達ずっとヒメと一緒にいるからね。フウねえじゃないけど、頑張り屋なヒメがお姉ちゃんは大好きだし、ヒメの全部もお姉ちゃんは大好きだよ」
セツが、快活な様子でアリアに綻んだ。
「フウお姉ちゃん、セツお姉ちゃん、わたくしもこのような素晴らしいお姉ちゃん達に囲まれて幸せです」
「ヒメちゃん!」
「ヒメ!」
フウとセツがアリアを抱き締めた。
アリアは、2人をぎゅっと抱きしめ返した。
「この世界で、わたくしを嫌ったままでなくて、受け入れてくれてありがとう。フウお姉ちゃん、セツお姉ちゃん」
小さく2人に気付かれないぐらいの声で囁いた。
娘達の仲睦まじい姿にスイが涙を浮かべて見つめた。
そして、スイは、アリアから引っ剥がしたシオンを押さえていた。
少し離れた所では、ジェームズとダニエルが和やかな雰囲気でアリア達を見守っていた。
「じじい、良いもんだな」
「そうじゃな、ダニエルよ」
そう言葉を掛け合った後、2人は真剣な表情になった。
「俺の可愛い娘達に、虫が付かないようにこれからも、諜報員を潜ませてくれよ」
「勿論じゃよ。前回はスイに解散させられたが、今回は学園周りの店に潜ませておるぞ」
「お、心強いな」
「抜かりはないぞ。お嬢様達が、外で害虫に触手を伸ばされないように、全ての虫を排除するように、強かに命じておる。かかか」
「じじい、頼んだぞ!」
「ふぉふぉふぉ!」
そんな2人の会話を聞いていたタスキは、自分が守るべきアリア達をしっかりと見守りながら、スイに男共の行動を逐一報告せよと、ニコニコお願いされた場面を思い出していた。
「ジェームズさん、ダニエルさん、申し訳ありませんが、僕はここでお嬢様達を守れずに死ぬわけにはいけませんので、ひっそりとスイ様に報告させてもらいます」
裏切るような気持ちに心が痛んだが、スイには逆らわないようにと強く刻み込んだ心に誓って、タスキはスイに視線を向けた。
スイがこちらに気付いたので、瞬きでスイに2人の企みを伝えると、うんと大きく頷いたスイがタスキの目に映った。
「ごめんなさい。僕はまだ死にたくありません」
目の前で更に過激になっていくアリア達の見守り態勢に、タスキは耳を傾けていった。
全ては生き残るためにとタスキは自分に言い聞かせ、ジェームズとダニエルへの申し訳ない気持ちをごまかして、スパイのように悟られないようにスイに瞬きで、密やかに全てを伝えていった。
そして、タスキの諜報のおかげで、今回も学園外の店に潜んでいたチェイサー家の諜報員は無事解散となった。その裏に尊い2人の犠牲があった。
アリアは、2人の男達とスイがいなくなっていることに気付いて、不思議に思い、残っているシオンとフウとセツに声を掛けた。
「ジェームズとダニエル、それにスイはどこに行きましたか。まだわたくし、お礼を伝えていなかったのですが?」
「アリアお嬢様、ジェームズとダニエルの事はもう忘れましょう。彼らは、きっとお星さまになって、お嬢様を見守ってくれますよ」
「ヒメちゃん、パパとジェームズおじいちゃんは、きっと草葉の陰から私達を見守ってくれるからね」
「ヒメ、絶対に母さんを怒らせちゃだめだからね。それとヒメ、私達は親父の分まで楽しまないとね」
「そうですね。わたくしは、2人にはお空に向かってお礼を言う事にします」
何をやらかしたんだろうと疑問符が頭に浮かんだが、アリアは賢明な判断で訊くことを止めた。
アリアは、2人とスイの事を忘れると一人離れているタスキに声を掛けた。
「タスキもありがとうございます。これからも、わたくしの傍にいて下さいね」
タスキに世辞を述べた後、愛想笑いを一応向けておいた。
「アリアお嬢様、僕もずっと傍にいますからね」
アリアに向かって、最高の笑顔を向けた。
「そうですね。よろしくお願いしますね、タスキ」
(まあ、煽てておけばいいか。こいつには、初日に散々なお願いをされたしな。危うく、アリアの変な扉が開きそうになったこともあるし。まぁ、助けられたこともあるから、もう一度お礼でも言って笑顔を向けておくか。それに初日の事も感謝したか覚えてないしもう一度その事も感謝しておくか)
そう決めると、アリアはフウとセツに詫びると2人から離れてタスキの下まで向かった。
アリアが、精一杯の背伸びで背を大きく見せようとしながら、タスキを結局見上げて声を掛けた。
「タスキ、いろいろとありがとうございます」
「お嬢様、もったいないお言葉です」
「謙遜しないで下さい。お風呂でも裸のわたくしを助けてくれましたものね。でも、その後の足で頭を踏むお願いは少し恥ずかしかったです。でも、タスキが喜んでくれる表情がなぜか、わたくしをドキドキとさせました。わたくしも段々と楽しくなってしまいましたが、大丈夫でしたか。わたくしは、しっかりとタスキのお願いの通りに出来ましたか?」
「勿論です、お嬢様。僕は最高に至福の時間でした」
「良かったです。・・・もしも、またやってほしかったら、今度は言葉も掛けた方が良いですかね。なぜだか、少し物足りなさを感じています。ですから、今度はもっと完璧に、タスキを踏んで・・」
「ヒメちゃん、ダメだよ!それ以上は踏み込んじゃいけないよ!」
「ヒメ、その先に進むのは、姉として認めれないな!」
「?わたくし、何か言っていましたか?途中から記憶が覚束なくなったのですが、何か言っていましたか?」
「お嬢様、シオンは何も聞いていませんよ。お嬢様はタスキに唯、感謝をしていただけです。さぁ、お嬢様は最後にここまで私達を応援してくださった読者の皆様に、お礼を伝えましょうね」
「?分かりました、シオン。では、えっと皆様」
アリアが下を向いて一旦気持ちを落ち着かせる。
シオンがその瞬間、フウとセツに目で合図を送った。
今のうちに、変態に退出させよと。
フウとセツも大切な妹に変な知識を与えた変態を見据えた後、シオンに頷いた。
フウとセツがスイから教え込まれた技術で、一瞬でタスキの意識を刈り取った。
「シオンさん、私達はこれをお母さん渡してきますね」
「シオンお姉ちゃんは私達の大切な妹をお願いします」
「勿論です、フウ、セツ。任せてください」
シオンがフウとセツに力強く頷いた。フウとセツもシオンに大きく頷いた。
フウとセツが、タスキを担いでスイの下に向かっていった。
そして、2人が丁度廊下に出ていった時に、アリアが顔を上げた。
アリアは、いつの間にかシオンと2人きりになった部屋に困惑した。
「あれ、他の皆は?」
「フウとセツはちょっと用事を思い出して、スイの下に向かって行きましたよ。タスキも用事を思い出したみたいで、同じように廊下に出ていきました」
「そうなんですか。折角、フウお姉ちゃんとセツお姉ちゃん、それにシオン、後まあ、タスキの皆でここまでわたくし達を見守って下さった読者の皆様に感謝をしようと思ったのに」
「お嬢様」
シオンが落ち込んだアリアを胸に包み込む。
「シオン、わたくしは大丈夫ですよね。皆に嫌われていませんよね。寂しくなってしまいました。ごめんね、弱くてシオン」
シオンの胸に顔を強く埋める。
「大丈夫ですよ、アリアお嬢様。皆、お嬢様が大好きですから。だから元気を出してください。お嬢様が落ち込むと、シオンも悲しくなりますし、折角10000PV達成のお祝いにここまで来てくれた皆と読者の皆様も悲しい気持ちになってしまいます」
抱き締めたアリアの頭を慰めるようにシオンが優しく撫でる。
「うん、そうよね。元気を出さないといけないわよね、シオン」
アリアは胸から顔を上げると、気丈に微笑んだ。
「はい、お嬢様。その意気ですよ」
「うん。わたくし頑張ってみます。ええっと、読者の皆様、わたくしの沈んだ姿を見せてしまい誠に申し訳ございませんでした。これからは、読者の皆様の為に頑張りますね!」
ふう~と、1つ呼吸を整えると、アリアが顔を上げた。
「では、皆様。わたくしの物語をここまで読んで下さり、そして、ここまで付いて来て下さり、誠にありがとうございます。わたくしは、まだまだこれからも頑張っていきますので、皆様宜しくお願い致します。タイトルに負けないようにわたくし、頑張って行きますね」
ぺこりとアリアが頭を下げる。
そして、顔を上げると、嬉しさと感謝の両方の思いでアリアは笑顔を顔に一杯に浮かべた。
「わたくし、絶対負けませんよ!」
そう笑顔の裏に、強い意志を秘めてアリアは宣言していった。




