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20話




「家の瑞樹になんか用かな?」



「貴方になんか関係ありますか?」



「あるよ」



 あー、やっぱりめんどくさいことになった。シスコンの兄さんと彼氏とか合わせたくない組み合わせだ。



「ちょっと待って。落ち着いて2人とも」



「「この男は誰?」」



 まさかのシンクロ。もしかしたら気が合うのかもしれない。



「真似しないでもらえるかな」



「それはこちらのセリフなんですけど」



「兄さん。あの、その…」



 いざ彼氏ですと伝えるとなると、なんだか恥ずかしくて上手く言えない。



「なにかな瑞樹?」



「兄さん…?」



「こ、こちら私がお付き合いしている大島恭司君です」



「ごめん瑞樹。ちょっと耳がおかしくなったみたいで聞こえなかったんだ。もう一回言ってもらってもいいかな?」



 まさかのアンコール……今の1回でも羞恥心が凄かったのに。

 自分の家族に恋人を紹介するというのも変な気分だ。



「初めましてお兄さん。瑞樹さんとお付き合いさせてもらっている大島恭司です」



「君には聞いてない」



「兄さん。わ、私の……恋人…です」



「グハッ…! お、俺の天使に悪い虫が…」



「もう兄さんめんどくさい」



「ガハッ…! めんどくさい…」



「行きましょう恭司」



「え、お兄さんはいいの?」



「うん。今はめんどくさいから」



 私たちは兄さんから逃げるためにその場を去った。



 幸いなことに追いかけてはこないみたいだ。



「瑞樹ー!」



 後ろでなんか叫んでいるけれど…








・・・








 少し離れた場所で私は足を止めた。



「ごめん。適当に移動しちゃって。なんか用事とかあった?」



「うんん。俺の方こそ変な感じになってごめん。瑞樹が他の男と一緒にいるのを見たらつい…」



「もしかして嫉妬してくれたの?」



「うん」



 なんだろうこの気持ちは。彼が私を思って嫉妬してくれたと思うと無性に嬉しくなる。

 それに恭司が少し恥ずかしそうに喋っているのも含めて凄く可愛いと思った。




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