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2話


 翌日。



 今日の通学はいつもと違い少しだけそわそわした。



 なぜかって?

 それはクラスの人気者からの告白を私が断ったからだ。



 昨日の今日ということで、彼がどういう態度で接してくるのか気になるのだ……もともと大した接点などなかったのだけど。



 そもそも会話したこともほとんどないはず。



 兎にも角にも、私としては今まで通りお互いに干渉しない関係がよかったのだけど…



 どうやらそんなに上手くはいかないみたいだ。






「おはよう深井さん」



「お、おはよう」


 


 教室に入れば、前日に振られているとは思えないぐらい爽やかな笑顔での挨拶が彼から飛んでくる。



 にしても、あまりにも普通に声をかけてくるものだからつい動揺してしまった。



 今まで私が朝に彼から挨拶をされることなんてなかった。



 だから周りの反応を確認したくて辺りを見渡したのだけど、なんだか周囲の様子もおかしい。



 確かに学園1のイケメンとか言われている有名人が、今まで喋っていなかった女子生徒に話しかけたらザワつくこともあるだろうけど…



 それだけじゃない……?



 それ以上に何かがおかしい気がする。そもそも彼に話しかけられる前からクラスメイトに見られていた気もするし?



 気のせいだといいのだけど…



「今日も時間ギリギリだったね」



 そんな私の気持ちなんて知らないだろう彼は普通に話しかけてくる。



「え、うん」



「朝はゆっくりしたいタイプ?」



「そうね。それに早く学校に来る意味もないし」



 友達がいるわけでもないし。大勢がいる空間は苦手だ。



 でも今はそんなことよりも彼との会話を終わらせたい。

 気のせいかクラスメイト全員がこちらを見ているような気がする…




「えー、俺は早く深井さんに会いたいけどな」



「そ、そう……っていうか、なんで今日は私に話しかけてくるの? いつもはそんなことしないじゃない」



「そんなの決まってるじゃん。好きな人にアピールしたいから以外ないでしょ」

 


「ちょっと……! 教室でその話しはしないで。というか、昨日断ったじゃない」



「だからめげずにアピールしてるんだよ。健気だと思わない?」



「お、思わないから! い、いいからやめてよ…目立つじゃない…」



「大丈夫」



 全然大丈夫じゃない。既に悪目立ちしてる気しかしない…



「大丈夫ってなにが」



「俺が深井さん好きなのみんな知ってるし」



「は…?」



 どういうこと…?



「告白したこと話しちゃったから」



「な、なんで…?」




 頭の中が一瞬の間真っ白になる。そして、同時にクラスメイトの視線が私に向いていた理由を悟った。



 普通は失敗した告白の話しなんかしないもんじゃないだろうか。

 恥ずかしさとかで、無かったことにするものなのでは?



 意味がわからない。どうしてそんことをするのか、彼になんのメリットあるのか?



「流れで」



「なにそれ」



 そんな理由で……



「というわけで、これからもどんどんアピールしていくから」



 最悪だ。

 そう思った。



 これで私の決して幸福ではないけれど、不幸でもない静かな学園生活が終わるのかもしれない。


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