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3話

3



 私の学校生活はいつでも変わらない。もはや変わり映えが無さすぎてルーティン化してると言ってもいいかもしれない。



 同じ時間に登校し、授業を受けて、昼食を取り、ホームルームが終われば一目散に教室を飛び出して帰宅する。



 友達もいなければ、バイトをしているわけでもない。だから急な予定が入ることもないわけで、移り変わりのない日常だ。



 だからと言って悲観はしていない。人間関係を構築していないということは、人付き合いで起こる煩わしい部分を排除できているからだ。



 交友関係で得ることができる幸せを手に入れられない代わりに、不幸になることもない。



 幸いなことに今の時代はスマートフォンが一台あれば様々な娯楽を楽しむことができる。

 UouTubeにゲームアプリに漫画アプリ。それ以外にもネット小説や配信コンテンツを見れたり様々だ。



 だから暇を持て余すこともない。



 それは100点満点の幸せではないのかもしれない。そして、それで言うとわたしの幸福度はきっと70点ぐらいなのだろう。



 でも、そんな完璧な幸せを得られる人間が世の中にどれぐらいいるのだろうか。



 きっとそう多くはないのだと思う。だから私はこの70点ぐらいの停滞した学校生活を送れればいいのだ。



 

 それなのに、そんな私のささやかな学校生活にヒビが入ろうとしている。




「一緒にお昼食べよう」



 その元凶の男はニコニコと笑顔で私に近づいてくる。

 


 なんなのだろう?

 なぜこんなにも彼はポジティブなのか?



 本当に意味が分からない。ルックスがよく、数多の女性から好意を持たれるような人生を送っていると、人とはこうもポジティブになれるのだろうか?



「お断りします」



「そこをなんとか! ね、少しだけでいいからお話ししようよ?」



「しつこい」



 きっぱりと断ったつもりなのに全く諦める気配がない。



「じゃあ勝手に横で食べてるから」



「貴方と一緒に食べると目立つから嫌なんだけど」



「それは今さらじゃない?」



「誰のせいでそうなったと!」



「うん、ごめん。代わりに俺が幸せにするから」



「なにそれ…ウザい」



 ああ、本当にしつこい。

 どうすれば彼は諦めてくれるのだろうか?



 これから毎日こんな感じなのだろうか。



 粘り強い男が諦めずにアタックしてヒロインのハートをゲットする。そんなドラマを母親がリビングで見ていたが……当事者になるのは勘弁してほしい…




 でも、こんなことは私には出来ないから少しだけど尊敬もする。

 自分だったら告白もしていないし、したとしても振られたら直ぐに諦めるだろう。



 そもそも私に彼がそこまでする価値はあるのかは疑問だが。



 

 ああ、それにしても……静寂な時間が懐かしい。


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