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13話



「今なんて……?」



「好きって言ったの……恥ずかしいから何回も言わせないで」



 さっきの好きだという言葉は自然と声に出てしまったものだ。

 だから改めて思い出すと羞恥心で頬が熱くなってくる。



 しかもリピートまでさせられるとは……



「ごめん。あまりにも突然で……夢でもみてるのかなって」



 確かにいきなりではあったかもしれない。私だって自分で自分に驚いてるぐらいだ。




 でも……そっか。これで私は彼と本当に付き合うことになったわけか。



 なんだか不思議な気分だ。まさか自分に彼氏なんていうものができるとは。



 少し前の私が聞いたら驚くことだろう。しかも関わりたくないと思っていたクラスメイトと恋人になるなんて。



 もしかしたらこれを機に私も変わることが出来るのかもしれない。

 なんて言ったって人付き合いが苦手な私に、彼氏ができるという異常事態が起きたのだから。



「夢じゃないわ」



 これが夢だったなら私だって困る。せっかく好きだと伝えることができたのに……いちからやり直しなんて最悪すぎる。



「うん。本当に俺と付き合ってくれるの?」



「ええ」



「ありがとう! 嬉しすぎて今ならなんでも出来そう!」



「そ、そう」



 そんなに嬉しそうにされるとなんだか照れ臭い。

 こういう時はどういうリアクションをするのが正解なのだろうか。



 私にはよくわからないし、上手く反応することもできない。

 本当は凄く嬉しいのに、ぶっきらぼうに答えるしかできないのが歯痒い。



 でも、彼が笑顔で喜んでくれるから、それに救われる。

 私もいつかはストレートに気持ちを表現できるようになりたい。



「深井さん」



 名前を呼ばれる。

 それだけでなぜか嬉しい。



「改めてこれからよろしくお願いします」



「こ、こちらこそよろしくお願いします」



 本当の恋人へと関係が変わった彼。今までは学校に楽しいという感情を見出せていなかった私だけど、これからのことを考えるとワクワクする。



 柄にもなく、残りの高校生活を2人でいい思い出にできればいいななんて強く思った。



 あー、本当に私は彼を好きになってしまったんだな。

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