左と右(スロット編)
左と右。それはある意味にすると一度押してしまったら、後には戻れない選択である……。
プチュン!
ピロピロピーピー! ピロピロピーピー!
《さぁ選べ! 己の信じるままに!》
(遂に来たで! 運命の選択遊戯!)
その漢は、左か右で迷っていた!
「これ……これを当てれば俺は! 俺は!」
その漢が左か右で迷う理由は一つ。
左と右の結果によって、その漢を待ち受けるものが天国と地獄だからだ。
決めた! …………漢は決めた! 漢は決めた!
「左だ!」
漢は運命、いいや人生最大級のエデンへと続く、左のストップボタンを押したのだ! 結果は……
キュッイン!
《おめでとう! ハイパーウルトラミラクル有利区間ぶっちぎりまくるラァーッシュ! 突入!》
その音を聞いたその漢は、画面に表示された乗せた数字を見て、無事にエデンを選び取れた事を実感した。
(よっしゃー! やったで! 今日は焼肉"屋"ー!)
歓喜の悦に浸るその漢が、指を伸ばした瞬間、その時だ!
「あのーお客様、お客様」
別の男がその男にそう告げると同時に、その男の肩を優しく叩いた。
(なんや! 俺はエデンを勝ち取ったんや!)
「お客様、御遊戯終了のお時間でーす!」
その別の男の声を聞いた漢の中で、なにかが否! エデンが一瞬にして焼け野原へと変貌を遂げた瞬間を実感してしまった。
(なぜ閉店時間ギリギリ前になると、あんな風向きになるんや! チキショー!)
エデン崩御から十数分……。
ピロピロン!
《ありがとうございました!》
その男は、焼肉屋……ではなくコンビニから出てきた。
「あぁー! 俺の焼肉"屋"ーが! ちくしょう……ちくしょー!」
その男は、焼け野原な気分で駄菓子である"焼肉食べた野郎"を食べながら、歩いて自宅へ帰るのだった。
終。
(あっ! 駐車場に車忘れた!)
エデンかヘル。
プチュン待ち。
最近のスマスロは特にエデンかヘル、プチュン待ちみたいなイメージがありますね。




