ミスリードとライン
ミスリード
それは事件解決のラインへ繋がる言葉である……。
「それでは、この中にいる犯人を僕が暴きます!」
「森咲さん、私達は全員、アリバイがあります」
「そうですか……ならこれならどうですか?」
僕は目の前にいる犯人候補達にあるメモを出した。
[北流州〈キタリュウシュウ〉]→[人参〈ニンジン〉]
[南十条〈ミナミジュウジョウ〉]→[人参〈ニンジン〉]
[東小宮〈ヒガシコミヤ〉]→[人参〈ニンジン〉]
[西飯時〈ニシメシドキ〉]→[人参〈ニンジン〉]
[料理]→[五目炊飯〈ゴモクイタメシ〉]
「これがなんだというのでしょうか?」
「これはですね。被害者が最後の食卓を嗜んでいた部屋に置いてあったメモです」
◇僕の推理を披露してからしばらく後◇
「まさか……暴かれるだなんて!」
「はい。四人の中で犯人なのは、あなたしかいませんよ、西飯時さん!」
仮想現実空間とは言え、こんなあたかも偶然を装っていた西飯時さんの犯行計画でも、犯人へ繋がるラインが一つでもある限り、暴けない謎は無い!
終。
[登場人物]
森咲 杜鷹
妄想犯行計画の主人公。
現実世界では、二十代半ばのサラリーマン。
仮想現実空間では、萬屋記録局の局員の一人。
[あとがき]
ミスリードが、実はミスリードではなくて、犯人に繋がる隠されたラインだった。
作者から提示された情報自体を疑うラインもある。
これが一人称SF推理物語の『妄想犯行計画(現在、休載中)』を書く際に、一番気をつけていた要素です。
くだらなしょも短編集のエピソードなので、事件因果等は作成工程は全て省き、犯人暴きパートのみ書いてみました。
*犯人へ確実に繋がる隠されたラインは、二つあります。
お読みいただきありがとうございました。




