巻き添え同盟
巻き添え。
それは本人にはどうしようもならない因果である……。
◇愛知県 某市◇
「ふっふーん! やっと休みだよ、うれしいぜ!」
自分の名前はマヨネ、普通のどこにでもいる愛知ヒューマンである。
《「きゃあああ!」》
その声がキッカケだった事は、今でもちゃんと覚えている。
なぜこんな事を考えているのかと言われたら、自分は次のような状況を君達にお返しするだろう。
《「きゃあああ! 盗賊、盗賊よ!」》
これが答えだ……。
ちなみに先に言っておくが、自分は盗賊ではない。
自分は、ただの人気がほんの少ししかない夜道を散歩しているだけの異世界〈リィンカチートア〉在住ヒューマンだ。
《「さぁ! 盗賊さん! 世直しジャスティル様がお前たちを成敗したるぜ!」》
思いっきり日本語が聞こえてきたのだが、自分の気のせいだろうか。
そう考えながら、厄介事の巻き添えを喰らわないよう、慎重に帰路を目指した。
なぜかって?
ジャスティルは、異世界転生をするために愛知県のあの場所で何かをしてくれやがった日本人だ。
自分は、前世が日本人のジャスティルが何かをしたジャストなタイミングで偶々、横を通っただけだ。
そう。
マヨネの自分が、異世界にいる理由は、簡単に言ってしまえば……。
「巻き添えだ!」
それとこの世界の事は、既に崩壊している、と自分は考えている。
なぜなら。
「誰だよ! 向こうの世界の食糧と家電を勝手に次から次へと送り込んでいるやつは! ここは日本じゃねーし、こっちは大変なんだぞ!!」
これが理由だ、自分は非常に暮らしづらい。
ジャスティルだけじゃなくて、次から次へとこの世界に何らかの能力を持って異世界転生しているみたいだからな。
これは「何だ?」とこの世界のお隣さんに聞かれて、「カップラーメンだよ」なんて、万が一にも正式名称で答えてしまったら、火あぶりの刑にされてしまうのである。
転生者が次から次へといるという事は、"当然!"自分以外にも巻き添えを喰らった人も次から次へといるのが、世の流れだ。
無論、自分も生きたままこの地に転移されてしまった一人だ。
転移されてしまった人の中には、うっかり「スマートフォン」と正式名称を答えてしまい、火あぶりの刑に処された人もいる。
触らぬ神に祟りなし。
これが巻き添え同盟の一般モブとして、異世界〈リィンカチートア〉生きるための共通認識なのだ!
なぜこの話が発信できたのかを知りたいのであれば、答えるさ。
「リィンカチートアで、光りの神様板を持っているからさ」
終。
【あとがき】
皆様は、このカクヨムor小説家になろうを始めとするweb小説投稿サイトで、数多にある大人気現代知識持ち越しチート系小説の世界に、前世も主人公と全く関係が無い自分が、そのまま巻き添えをくらい転移してしまったらどうする?
みたいな妄想をしたことがありますか?
お読みいただきありがとうございました。




