"ロール"の言葉に隠された秘密
その世界で文締め、言葉締めの禁忌ワードは、なぜか"ロール"だった……
その世界では"ロール"という言葉で締める事自体が禁忌言語とされている。
それは各国の憲法にも禁忌言語として必ず制定明記されているぐらいのレベルだ。
なぜロールがダメなのかを研究した学者達もかつてはいた様だが、その学者達は晩年、研究資料を遺したという。
その研究資料には、"あの言葉で言葉を締めるのは、非常に危険である。なぜならあの言葉を文締め、言葉締めした瞬間、著者である私の目の前に現れたのは、ごは――"という言葉が必ず添えられているのである。
"著者である私の目の前に現れたのは、ごは――"の続き。
これが何を意味するのであるか、2026年10月の今日まで、解き明かされてはいない。
2026年10月4日(日)、ある若者が自宅で悲観の感傷に浸り、なぜか一人で酒を煽っていた。
「馬鹿野郎ル、馬鹿野郎ル、あれだけデートもして、『あなたと幸せな家庭な未来、あなたとなら一緒に見てもいいかもね』って、言ったじゃないか!」
ある若者は将来を誓いあったはずの人生のパートナーから、突然嫌われてしまい、10月4日の今日、盛大に振られてしまった。
パートナーになるはずだった相手からの最後の言葉は、ある若者にとって、その理不尽な理由であると考えてしまった。
《あなたと一緒に過ごす内に、私のロー……いや役割分担を一方的に押し付けられそうな予感がした。それとあなたが馬鹿野郎の後にさらっと"ル"を言いかける癖も知ってしまった。だからあなたとの将来の家庭のビジョンが見れなくなった、ごめんね》
気を遣えないという理由は、まだ改善すればなんとかなる。
でもなぜ、"馬鹿野郎ル"がダメなんだよ!
ある若者はその様に本気で考えていた。
「馬鹿野郎ル! 馬鹿野郎ル! 馬鹿野郎ル! バッキャロール! バッキャロール!」
酒を煽ってしまった影響で、ある若者はその世界の禁忌言語、バッキャ"ロール"で言葉を締めてしまった。
「あっ、いけね。セーフだよな? 誰も聞いていない、だからセーフだ」
ある若者はその時点ではセーフだと考えていた。
だが、セーフではない事に気づいたのは、翌日以降だった。
どんなお菓子を食べようとしてもロールキャベツ。
どんなごはんを食べようとしてもロールキャベツ。
どんなアイスを食べようとしてもロールキャベツ。
どんなスイーツを食べようとしてもロールキャベツ。
どこに行っても、何を食べようとするも、ある若者の食卓には、ロールキャベツが、突如として現れる様になってしまったのだ。
そう!
ある若者が言ってしまった、"バッキャロール"!
この言葉こそ、研究資料に記載された禁忌言語の一つでもあり、一番言ってはいけない最大禁忌言語だった!
しかもタイミングも悪い、10月4日はロールキャベツの日なのだ!
そんな事は知らない?
いやいやその世界では、義務教育でちゃんと勉強する歴史である!
終。
バッキャロールキャベツ!
この言葉を連想してから、三ヶ月。
ようやく物語にすることができました。




