カミゴロシ
カミゴロシ……意味はそのままである。
そこはとある企業のとある部署であった。
プルルルルル! という音が鳴り響く部署内。
その男は、鳴り響く音を鳴り止ませるため、受話器を取った。
「はい、こちら〇〇オフィス什器です。……、はい! いつも大変お世話になっております! はい、はい、定期メンテナンスのご依頼ですね、畏まりました! はいそれでは今から参ります!」
その"顧客!"からメンテナンス依頼を承ったその男は、そっと受話器を置いた。
受話器を置いたその男が向かった先は、その部署の上司のデスクであった。
「課長、少し外回り行ってきますね」
「お前も正直、災厄な気分だろ? なんせ相手は魔王様なんだから」
「しっ! 誰かに聞かれたらどうするんですか! コピー機に"なぜか!"魅入られてしまい地球を襲撃してきた魔王様と"なぜか!"地球側の交渉人にされた僕が交わした停戦の条件、忘れたわけじゃないでしょ?」
「すまんすまん、そうだったな。でー、魔王様はなんと?」
「定期メンテナンスのご依頼とコピー用紙が足りないから、コピー用紙を早く持って来い! さもなくばこの世界を滅ぼす、だそうです」
「そうか……、魔王様は神ではなく、この世界の紙を失くす、紙殺しってわけだな……」
「はぁ、課長。またそれですか……絶対に行かされる僕の身にもなってくださいよ」
「すまんすまん、それじゃよろしくな!」
課長がその男に告げた後、指を鳴らすと、その男は青い空ではなく、赤い空が覆う世界に立っていた。
「さぁ! 今日も頑張るぞー!」
これがこの物語の世界における、現実と幻想によるカミゴロシ黙示録である!
「どうもー! 〇〇オフィス什器の四紙です!」
終!
[あとがき]
〈このエピソードの元ネタ〉
カミゴロシモクシロク〜オフィス什器レンタル会社勤務の俺。ある日突然異動を命じられた先は、カミゴロという名の異世界だった!〜
という虚構小説投稿サイトにある虚構タイトル。
『魔王が業務用コピー機コレクターだから紙が足りない、だから紙殺し』というネタバレレビューが寄せられている。
お読みいただきありがとうございました。




