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子どもの頃から好きなあなたと  作者: もち雪
木染月に君を知りて

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51/58

51:錬金術師見習いルルカ 1/2

【逆にわかり難いかもしれない、ポーション作りの困難さの例え、ボツ版です】


 バナナジュースを作るのに、一定量出てくる蛇口があって、10秒間にバナナが一本出るのに、牛乳がコップ4分の1で、砂糖が僅かパラパラしかない状態がある。


規定量に正確なルルカが、美味しいバナナジュースを作るためにバナナと、牛乳をすくいとって美味しいバナナジュースを完成させる。


こっちは美味しいバナナジュースを作るまでに、バナナと牛乳でお腹いっぱいになるけど、ポーション作りは逆に魔力が減ってしまう。


「俺様が、風の魔法でバナナジュース作るぜ!」

「ルルカ……、アーンしてくれたら、もっと食べれる気がするよ」

「そうなんですか? 今度、挑戦してみます!」

「えっ……」(誰と?)

「よし! 女子会でバナナジュースパーティーしよう! 俺様はバナナジュースが作れるし、砂糖は持っていく」

「まぁー」

「お前はもう帰れ……」

 

ちゃんちゃん!

  ルルカたちが、それぞれの過去と向き合ったのは昨日の事。

 

 朝が明ければ身支度を済ませ、部屋を出て、隣りの部屋のネームプレイを眺める。

 

 ――アイシアはまだ戻ってない。長い夏の休みの出来事を話せば、なんて言うかしら? 早く彼女の顔がみたいわ。


 ルルカの口もとに少しだけ微笑みを受かべると、まだ帰らない親友のネームプレイとにそっと触れ、歩き出す。


       ◇◇


 錬金術同好会の部室に入ると、今日はすでに黒板の前の鍋がグツグツと煮えていた。

  

 その隣りには、錬金同好会の制服を着たセロッティー部長が居て、料理用お玉をもちかき混ぜている。


「おはようございます」


「おはよう。このポーションなのだけど、ちょっと後で手を貸してくれる?」


「どうかしたんですか?」


「それについては後で話すわ。それにしても……いつたいどれくらいの量が必要なのかしらね?」


「どうでしょう? エルドア様が当初、計画されていた量は、今日にも越えそうなのですが、昨日、新しく運び込まれた薬草が気になりますよね。ですが……ちょっと私事(わたくしごと)がありまして、鍵を返す際にゼロス先生にも聞けずじまいでしたわ」


 ルルカは昨日の事を少し思い出し、穏やかな顔で微笑む。


「あぁー、大変だったみたいね? アンドリューは『ルルカがとにかく大変だった。だから俺様と、エルウィンとちゃんとしなきゃだぜぇ』って言って、部室の端で寝てるわよ」


 部長は、鍋をかき回す手をゆるめずに、ニャッと口角をあげてそう返した。


「えっ!? えっと……私は大丈夫です。見えてなかったものに、驚いたり、嬉しかったりしましたが、大丈夫です。ちょっと師匠の様子を見てから、紅茶を淹れますね」


「詳しくは、秘密なのね? いいわ。 美味しいハーブティーを淹れてくれるならね」


「うふふ、腕によりをかけますわ」

「お願いね。ハーブはフロートが集めて、皿に入れてあるわ」

「はぁーい」


 彼女が教室の奥へ歩き出すと、大魔術師のアンドリューが部室の壁にもたれかかり、腕を組み眠っていた。


 そこまで静かに歩いていっても、全身黒の装束の眠る、彼の金の瞳見る事ができない。


 ルルカは彼の前に立ち、同好会の制服の太ももの部分に手を付け、お辞儀をするようにそっと彼を見る。


「師匠、ありがとうございました」


 起きている彼にはいい難い事を、とても小さな声で囁いた。


 だが、しかし――。


 瞼があがり、少しだけ金の瞳を覗かせ彼は、「あぁ、わかった」そうとだけ言って、その瞼はふたたび閉じられる。

 

――これだから、訓練を受けてる方は……、こっそりお礼も出来ませんわね。


 彼女は肩をすくめてから、足取りも軽やかに、調理スペースへ行くと、お湯を沸かし始めた。


 クルクルと動きまわり彼女が、ティーセットの用意を終える頃には、お湯は熱い蒸気をあげる。


「それにしてもフロート様のハーブのブレンドはいつもながら、巧みね」


 ティーポットの中にいれた、それをルルカは横から覗き見る。


 多くの薬草を栽培をしている錬金同好会だから出来る、ハーブの使い方。


 そうしなければ、モクモクと増えて扱いに困る。

 そんな側面もあるハーブの消化の仕方というか、とにかく伝統のハーブティーらしい。

 

 では、と、ハーブが用意されたポットへ、『みんなに元気になって欲しい』祈りを込めながらお湯を注ぎ入れていく。


 そうすれば光は出ないまでも、少しだけ風味が良くなり、元気がでる。


 そんなことを体感で感じとれる。


――プラゼボ効果だったりしないのかしら?


 そんな疑問もわくが、効果を求める物ではないのでそのまま、そしてちょっとおまじないぽくて楽しい。


 王国錬金術師になれば、今以上の多くの検査の仕方を学ぶ事が出来るようになるが……。


――もちろん、紅茶の美味しさについて、調査をしている暇はないわよねー?


 そんな事を思いながら、ポットの中で踊るハーブたちをルルカはじぃーっと眺めていた。それだけで、心が満たされる。


「ルルカ来てくれる?」

「はぁーい」

 

呼ばれふたたび、セロッティーと、その鍋の前に立つ。


鍋の中に魔力は感じるが、下ごしらえの様なものだろう。仕上げの魔力までは感じられなかった。


「ルルカ、貴方の魔力をここに入れてくれない? 貴方の魔力が独特なら、その魔力の解明するチャンスは、在学中の今しかないと思うのよね!」

 

「わかりました」


 昨日の夢の中の過去、あの時の気持ちは鮮やかにとまではいかないまでも、思い出しながら時間の経過でも、色褪せない思いをつむぎ合わせていく。


それをポーションに適した、魔力の属性とともに流し込んでいく。


 そして光が現れ、ゆっくり、ゆっくり魔力を注ぎ、胸のペンダントの光の様子を眺めながら……。


 ペンダントから発せられる青い光の次に、現れた炎の赤い光と、鍋の表面に広がる淡い光の様子を確認すると、魔力と火を止める。


「出来ました」

 ルルカの言葉に、多少の疲労が混じっていた。


 ペンダントは、一定量を越えた魔力の放出せき止め、余分なその属性魔力を象徴する色の光に変えてくれる。


そのおかげで、今では危なげなくルルカは、爆発を抑えこめる様になっていた。


しかし、ルルカの魔力を無駄に光として消費する量が、目に見えて抑えてこめるまではいたってはいない。


青、水の属性の光が、次の赤の光にともるまでしばらくの時間がある。その間、水の魔力は無駄に流れつづけている。


もし満足いく薬ので出来映えができたと同時に、水の光が点るようになれば、どの属性を、どの割合で注ぎこめばいいかの研究が始められるはずだった。


その頃には、ルルカは魔力の結構な使い手であるはずなので、理想を言えばってところかもしれない。


  続く


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