報告-14の月、6日、1枚目
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災害派遣としてイスイ村に到着してから二十日、こちらの感覚では一か月。
メッツェン、ウィスカー、モースがイスイ村にやってくることになった
一旦戻ったスタンツェやアドソン、第三陣の騎士や文官などは既に到着しており、明日は近くの領主の館で慰霊祭と慰労会が開かれるという。
サクラも慰霊祭、慰労会に出席するとのことで、メッツェンが宿泊する領主の館を訪れた。
久しぶりに会う三人に報告を行う。
復興支援の方法をメッツェンと話し合う。
「・・・そう、貴方はそう考えるのね」
「・・・それは拒絶ですか?侮蔑ですか?区別?受容?」
一瞬にして空気が凍る。
目の前のサクラはいつも通り微笑む。自信はないけど。
「え?」
「一旦、退室致します。御用の際はお呼びください。失礼します」
目を丸くして反応できずにいるメッツェンの方を見ている間に、サクラは出て行った。
さっきまでこの村のことを話していた気がする。
メッツェンがこの村は元々生産性が低く、度々このように災害が起きるのであれば、村を閉じてふもとの領地に引っ越しさせればいいと話した。
意見を求められたサクラは、生産性は低いだろうけれど、村を閉じる必要はないと話した。
ここでしか取れない植物や生産される物は、恐らくとても大切なのだと返答した。
とはいえ、サクラはあやふやな知識しか持ち合わせていない。
薬草や毒の知識は図鑑で見ただけで、サンプルを採取したが専門家の意見を聞くまでは明確な意見が言えない。
メッツェンにも国としての考え方があるわけで・・・そしてさっきのセリフに、サクラが異様に反応してしまった。
「・・・ふぅ、割り切ったつもりだったけれど、取り乱してしまいました」
首周りのペアンを撫でつけ、心を落ち着かせる。
珍しく額をサクラの顎に押し付けてきたので、ペアンなりに励まそうとしてくれているのだろうと受け取った。
もうすぐメッツェンの夕食が出来るだろうと厨房の方に向かい、モースと合流する。
サクラのいなくなった執務室ではメッツェンが目を瞬く。
「なっ、何?今の・・・サクラは何に怒ったの?」
「・・・あれは怒ったのではなくて、そのままの意味に受け取って良い・・・はずですよ」
「え?どういうこと?」
メッツェンが首を傾げる。
スタンツェが同じように、サクラの言葉の意味を取り違えたことがあったという。
サクラが行方不明になる前日の夜、スタンツェの元にきたサクラとの会話を聞く。
サクラは純粋に心配していたが、スタンツェが揶揄ってしまった。
それに対してサクラは怒るのではなく、自身の考えを押し付けてしまったと反省していたのだという。
アドソンが質問をぶつける。
「なースタンツェの言うそのままって、結局なんだ?メッツェンはサクラに、そう考えるんだなって言って、サクラは拒絶か?って聞いたんだろう?そのままってどういうことだ?」
「メッツェン様がサクラを拒絶したのかと聞いたんだと思う。仮説だが、『お前の考え方は違う世界のものだから受け入れられない』と言われたと考えたんじゃないか」
「なるほど・・・それであれば誤解だね」
スタンツェの仮説にメッツェンは小さく頷く。
「そしてまだ必要としてもらえるならば、話をしてもらえるならば、呼んでくれと言ったんだろう」
「なるほど・・・」
「サクラっておもしれーな。なー聞いたら何でも話してくれるのかな?」
「全部の質問に答えるだろうけれど、全部を話すことはないだろうよ」
「あっ、そういうこと?」
「なるほど。それならぜひ聞いてみないとね」
アドソンは目を瞬き、メッツェンは微笑む。
スタンツェは小さく溜息をついて言葉を続ける。
「まぁ聞きたければ聞けば良いんじゃないか。元いた世界のことなんか確かめようがないんだ。突拍子もない考えを持ったやつがいるってくらいに受け止めて、うまく使えば良い」
「へぇスタンツェがそんなに評価するのって珍しいなー。女嫌いなのに」
「こちらのことを知りもしないで騒ぎ立てる無能な女が嫌いなだけだ。有能な魔術師は女も男も関係ないな?」
「ふ~ん・・・そっかぁ」
「なんだよ?」
「まぁまぁ、一先ず、メイドにサクラを呼んで来てもらいましょ」
ニヤニヤと笑うアドソン、眉間に皺が寄るスタンツェ、そんな二人を見ながら微笑むメッツェン。
ベルを鳴らすと颯爽とメイドが入ってきた。
なぜか小脇に抱えられたサクラが見えて、目を見開く。
一区切りと再出発
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連日23時にアップ予定です。




