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報告-12の月、20日、1枚目

プレゼント

サクラの部屋の中央にはローテーブルとクッションが置いてある。

勉強机以外に、ウィスカーやペアンがくつろぐ場所として、早々に購入したものだった。

ベッドに寄りかかるように床のラグに座ったサクラの対面に、ウィスカーが座る。

ペアンは普段ベッドの上に居ることが多いが、サクラの横の床に座ってくる。

ウィスカーがテーブルに小さな箱を置き、ペアンが手でサクラの方に押し出してくる。

首を傾げながら、箱を開けたサクラは、目を瞬く。

ゴールドとシトリンの月に寄り添うトパーズの青いの星というデザインのイヤリングが入っていた。

――――二人の瞳の色みたいで綺麗・・・


「こんなに素敵な耳飾りを頂いて良いのですか?」

「うん、受け取って欲しい。ダメ?」

「ニャーン?」

最高に可愛い猫様に首を傾げられ、美しい妖精さんが困ったように微笑みながら首を傾げているこの状況。

サクラは欲望そのままに写真に残したい欲求に駆られる。

――――スタンツェさん、今すぐ一眼レフカメラを作って・・・ぜひにっ。


「いえいえ、喜んで受け取ります!ありがとうございます!!」

「いつもつけていてねっ」

「はい、でも私は耳たぶが薄くて小さいので、落としてしまわないか心配なんです」

「えっ、そんなに薄いの?」

「あっ・・・今の体は普通のサイズでしょうか?前の体は耳たぶがとても小さくて、耳に穴をあけて固定する形でも、落としそうなくらいだったんです」

「うーん・・・それなら落ちないように止めておいてあげる!」

「ニャーン」

「ほっ、本当に良いのですかっ?」

ウィスカーがイヤリングを受け取り、何やら細工をするとクルミボタンのような装飾具に変化した。

ピアスとは違い、ボタンの形だ。

耳に付けてもらいながら、急に耳朶に口づけされる。

「ふわっ?!」

サクラは驚きのあまり、この世界に来て、出した記憶の無い声を出す。

思わず左耳を両手で包むが、硬い物に触れる。

元いた世界のピアスのようでいて、落ちることはなく、しかも他人に見えなくなる魔術を施したそうだ。


続いて、ペアンが足にぶつかってくる。

「・・・サクラちゃん、屈んで」

ウィスカーの言った通りに頭を下げると、背伸びをしたペアンも右の耳朶に口づけをしてくれる。

どちらかと言えば、ザラっと舐められた気がするが、気のせいだろうか。

齧られなかったことに安堵した。


「わぁ、痛くないのにしっかり耳にくっ付いています!ありがとうございます」

両耳に触れながら、二人にお礼を伝える。

ウィスカーは微笑み、ペアンは尻尾をフリフリとしてくれた。

貰ってばかりでは申し訳ないと伝えれば、休みの日にミルクティとチョコレートでお茶会をしようと誘われた。

張り切って準備しようと、サクラは握りこぶしに力が入る。


今すぐに何かお礼をしたいというサクラに、二人は手紙を書いて欲しいという。

「これからもずっと素敵な時間が過ごせますように」

丁寧に、丁寧に、それぞれの手紙を書くときは、それぞれのことだけを思って書いていく。

真剣なサクラの横顔を見て満足そうに微笑む使い魔二人。

邪魔するものは何もない甘く優しい時間がゆっくりと過ぎた。



スティーブンのネックレスに触発された二人の独占欲が、煌くピアスになりました。

いつでも傍にいてくれる二人に、お返し出来るのはサクラからの感謝を込めた手紙の魔力。

ずっと三人の楽しい時間が続きますように。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

連日23時にアップ予定です。

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