第五話
ネイビーのシャンプーを終えた俺は、宿屋の女将さんに挨拶を終え、いつも通り、薬草摘みの仕事をした。
これは町の薬売りとお近づきになり、足りない薬草の種類を知るため。
簡単な儲け方だ。
①足りない薬草を聞く。
②その薬草を一本残らず摘み取り手に入らないようにする。
③薬草の需要が更に高くなったところでファルセムとして貴族に横流しする。
④貴族が儲けた後で、お人好しのファムが血まみれで数十本の薬草を持ってくる。
ファムの株は上がり、薬草は増え、報酬も手に入るというわけだ。
結局この世の中は商売。
真面目に人助けなど決してしてはならない。
馬鹿を見て、全てを貪られるだけだ。
……俺は今度こそ、昔の俺のようなことにはならない。
よほど思い詰めた顔をしていたのだろう。
ーーーキュウ?
ネイビーはこちらを案じて見つめていた。
頭を撫でてやると気持ち良さそうに目を細める。
そう、今すべき事は過去を振り替えることじゃない。
当面の目標はドラゴンだ。
薬草を摘みながら近くの湖に顔を写す。
黒髪、焦げ茶の瞳、幼さの残る顔。
これを別人にしなくては。
「チリン」
キュウ?
「見張っとけ」
ネイビーがチリン!と鈴を鳴らす。
絶対に他の人にバレてはならないのだ。お人好しのファムの意味がなくなってしまう。
「チェンジ」
頭に姿を思い浮かべる。
獣人がピンと来た。
こちらのシナリオとしては、他国から来た冒険者が、ドラゴンを狩ってファムに渡す。
ファムはそれを無償で宿屋に提供する。
という方向だ。
あの女将さんのことだ。
何かしらのメリットとして返してくれるだろう。
というわけで、他国から来た冒険者が必要になるのだ。
その点、獣人なら心配がない。
今俺が拠点としている町、アーヴィングは獣人が殆どいない。
つまり完全に一人でもいれば完全に噂になる。
お人好しのファムが種族にとらわれない馬鹿正直なお人好しとして噂になるのは大歓迎だ。
そうしている間にチェンジは俺の望む姿を作り出した。
腰まで伸びた長い髪と、そこから出た二つの尖った耳、まるで獣そのもののような鋭い眼光とふさふさした顔。
いい感じだ。
チリン、
音がしてみると、ネイビーは俺の体にマントとしてまきついた。
さすがにソロ冒険者感出した方がいいもんな。
ネイビーだと悟られないようマントに擬態していてくれるわけだ。
ネイビーに礼を言うと、俺はいよいよ、ドラゴンの巣へと向かった。
ヒロイン登場しませんね……。
いや待って急いで登場させるから二週間以内に登場させるからせめて評価ボタンだけ押してってください(全力の土下座とステルスになってないステマ)
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