第三話
※ファルセム視点
ネイビーと俺は裏路地を歩く。
少しだけ歩くと表通りが見えてきた。
表通りはまだ明るく、一際明るいのが宿屋だった。
宿屋の裏手にネイビーを待機させ、首輪をつけた男を取り出す。
宿屋に入ると連日のように行われる冒険者たちの宴会がそろそろ終わり始める頃だった。
吟遊詩人が歌い、それに合わせてエールのジョッキが揺れる。
もう酔いつぶれてるやつもいる。
俺はそれを横目にとある男のもとへと向かった。
明らかに上質なコートを羽織り、その下に上等な鎧を着ている騎士の元へ。
「お疲れ様です旦那」
軽率な男のような声色で騎士に声をかける。
騎士は俺を一別すると鼻を鳴らした。
騎士は俺のことを嫌いなようだ。
「奴隷以外にはなにも盗ってないな」
「えぇ、そりゃなにも」
「ふん」
かなり態度が悪い。
見下されるのはよくあるがここまで露骨なのはわりかし珍しい方だ。
よほど素直なのか、よほど馬鹿なのか。
まったく、汚い手段が必要なのはお前の主だろうに。
まあ、こっちとしては金がもらえれば構わん。
「では、お駄賃を頂きましょうか」
「ほら。さっさと失せろ」
金を投げつけられ、すべて受け止める。
中身を確認すると、金貨500枚。
500ゴールドか。まあ悪くない。
宿屋を出てネイビーの元へ行くと、予想通りの光景があった。
「……なあネイビー、荷物増えてないか?」
キュウ?と声をあげるネイビー。
ソリのなかにはいくつかの鎧と武器、そしてその持ち主だっただろう骨たち。
「……つくづく雑食だなお前」
まあ、宿屋の裏手にネイビーを待機させている時から、あの騎士に雇われた小悪党がソリを捕まえ俺を捕まえようとするのは想像がついていたが。
俺はこれでも賞金首。
俺さえ捕まえれば将来安泰なほどの賞金が出る。
まあ捕まらないけどな。
「そんな食べ過ぎるとドラゴンの肉入らないぞ」
軽口を叩くと、チリンチリンと音がなる。
どうやらまだまだ余裕だと言っているらしい。
俺は苦笑すると、呪文を唱えた。
「チェンジ」
俺の服装も髪型も顔つきも、すべてが変わる。
光1つ通さない真っ黒な髪、幼さの残る顔立ち、優しげな茶色の瞳。
小柄で、簡易な冒険者のような服装。
何でも屋のファルセム・アルデカンド。又の名を、お人好しのファム。
これが俺の裏の姿と表の姿だった。
如何だったでしょうか?
とりあえず本日はここまでで、明日からまた毎日更新できればと思っております!
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