IQよりEQ〜感情のアンガーマネジメント〜
「なぜこんな仕様漏れが起きるんだ! 君の確認不足だろう!」
クライアントの担当者から、電話越しに怒号が飛ぶ。理不尽な言い分に、新の頭の中でプツンと何かが切れる音がした。「それはそちらの指示書になかった項目です!」と言い返しかけたとき、新の手元にあったPMPの単語帳が目に入った。
そこには大きく**「情動知能(EQ)」**と書かれていた。
【PMP試験の重要知識:情動知能(Emotional Intelligence - EQ)】
概要: 自分と他人の感情を認識し、それを管理して人間関係やコミュニケーションを円滑にする能力。
4つの構成要素:
1. 自己認識(Self-Awareness): 自分の現在の感情(怒り、焦りなど)を正しく察知する。
2. 自己管理(Self-Management): 感情的な衝動を抑え、冷静な行動を選択する。
3. 社会的な意識(Social Awareness): 相手の立場や感情に対する共感を持つ。
4. 人間関係の管理(Relationship Management): 信頼を構築し、紛争を導く。
試験での出題ポイント: 優れたPMには技術的スキル(IQ)以上にEQが求められる。「感情的になって反論する」「相手を無視する」選択肢は間違い。
新はグッと怒りを飲み込み、6秒間息を吐いた(自己管理)。
(待てよ、なぜこの人はこんなに荒れているんだ?)
思考を切り替える(社会的な意識)。相手の担当者も、上司から相当なプレッシャーをかけられているのかもしれない。
「ご指摘ありがとうございます。お怒りはごもっともです。まずは現時点でどうリカバリーできるか、一緒に考えさせてください」
落ち着いたトーンで共感を示すと、電話の向こうの荒い息遣いが和らいだ。
「……いや、こちらこそ声を荒げてすまん。実は上から詰められていてね」
EQを発揮したことで、危機は一転してクライアントとの深い信頼関係へと変わった。新は「怒りは感情の二次災害だ。一次感情にある『不安』に寄り添うことがPMのEQだ」と理解した。




