最悪を想定し、最善を期す〜事前評価と事後評価〜
「システムは無事に完成しました! 明日の本番稼働に向けて、何も問題はありません!」
達成感に浸るチームメンバーたち。しかし、新の表情は硬いままだった。
「みんな、浮かれるのはまだ早い。PMPでは、プロジェクトの『事前』と『事後』に行うべき重要プロセスがある。まずはリリース直前の『プレモーテム(事前仮死分析)』を行う」
【PMP試験の重要知識:プレモーテムとレトロスペクティブ】
プレモーテム(Pre-mortem / 事前仮死分析):
プロジェクトやイベントを開始・リリースする「直前」に行うリスク洗い出し手法。
「仮に、明日リリースしたシステムが大失敗して完全に崩壊したと仮定しよう。その原因は何だったと思う?」と全員に問いかけ、まだ起きていない隠れたリスクや盲点をあぶり出す。
レトロスペクティブ(Retrospective / 振り返り):
アジャイル等で、イテレーション(期間)やプロジェクトの「終了後」に行う会議。
「何がうまく行ったか」「何が問題だったか」「次に何を改善するか(KPTなど)」を話し合い、プロセスを継続的に改善する。
試験での出題ポイント: プロジェクトの知見は組織体のプロセス資産(OPA)として蓄積される。失敗を未然に防ぐプレモーテムと、次のプロジェクトへ学びを活かすレトロスペクティブは、継続的改善の要となる。
新の「もし明日、システムが大炎上してニュースになったとしたら、理由はなんだ?」という問いに、メンバーはハッとした。
佐藤が挙手する。「……アクセス集中による、データベースのコネクション枯渇です。そこだけ負荷テストが甘かった」
「それだ!」
リリース直前のプレモーテムによって見つかった盲点。チームは一波乱を未然に防ぐ設定変更を施した。
そして稼働成功の数日後、チームは「レトロスペクティブ(振り返り)」の部屋に集まった。
「今回の成功と反省を、組織の資産(OPA)として残そう。僕たちの学びは、次のプロジェクトの糧になる」




