運命の5つの選択肢〜リスク対応戦略〜
「新さん、大変です! 採用予定だった外部の決済APIが、来月の仕様変更で使えなくなるという情報が入りました!」
陸が叫び声を上げる。この決済機能が動かなければ、システム全体が売り物にならない。大炎上の予感に、チームに緊張が走る。
新はノートを開き、「負のリスク(脅威)に対する5つの対応戦略」のページを叩いた。
「慌てるな。PMPには、リスクに対処するための明確な5つの型がある。どれを選択するか冷徹に判断するぞ」
【PMP試験の重要知識:負のリスク(脅威)への対応戦略】
プロジェクトに悪影響を与えるリスクが発生、または懸念される際の5つの基本戦略。
1. 回避(Avoid):
リスクの発生原因そのものを完全に排除する(例:危険な機能の仕様自体を取りやめる、確実な別の技術に切り替える)。
2. 転嫁(Transfer):
リスクの影響や責任を第三者に移す(例:損害保険に入る、リスクの高い作業を保証付きの外注業者に委託する)。
3. 軽減(Mitigate):
リスクの「発生確率」または「影響度」を下げるための事前対策を講じる(例:二重チェックを行う、事前のテスト回数を増やす)。
4. 受容(Accept):
リスクを受け入れる。特別な対策をせず、発生した際に対処する。
静的受容: 何もしない。
動的受容: 予備費(予備時間・予備予算)を用意しておき、起きたらそれを使う。
5. 逃避/エスカレーション(Escalate):
そのリスクがPMの権限やプロジェクトの境界を超えている場合、上位のマネジメント(スポンサーや経営陣)に判断と対応を委ねる。
「新さん、どうします!? どの戦略で行きますか!?」
新は5つの戦略を頭の中で高速回転させた。
「まず『受容』は却下だ。決済が使えないのを放置したら会社が倒産する。次に『転嫁』……今から別の保険や外注を探す時間はない。ならば……」
新は力強く指を指した。
「戦略は『回避』だ! 変更予定の怪しい外部APIの利用は全面取りやめ! 開発工数はかかるが、自社内で実績のある安全な決済モジュールに設計変更する!」
根本原因をカットする「回避」の決断により、破滅の未来は回避された。
「リスクに怯えるな。選択肢(型)を知っていれば、どんなトラブルが来ても打つ手はある」新はペンを握り直した。




