タックマンモデル(Tuckman Ladder)〜嵐は失敗ではない〜
「もうこんなチーム、やってられません!」
会議室に若手の陸の叫び声が響いた。デザイン担当のメンバーと仕様を巡って真っ向から衝突したのだ。お互いの譲らない主張、重苦しい空気。新のプロジェクトは空中分解寸前だった。
自室に戻った新は、溜息をつきながらPMPテキストの「チームの成長段階」のページを開いた。そこに書かれていた図を描き写す。
【PMP試験の重要知識:タックマンモデル(Tuckman Ladder)】
チームが結成されてから高い成果を出すまでには、必ず5つの段階を順番に通過するという理論。
1. 形成期 (Forming): チーム結成期。メンバーはお互いに遠慮があり、礼儀正しいが本音は出さない。
2. 嵐期 (Storming): 意見の衝突期。作業の進め方や優先順位を巡って対立や論争が起きる。(★最も重要!)
3. 統一期 (Norming): 規範の確立期。衝突を乗り越え、お互いの違いを認め合い、ルールや協力体制ができる。
4. 機能期 (Performing): 最高パフォーマンス期。チームが自律的に動き、高い成果を出し続ける。
5. 解散期 (Adjourning): プロジェクト終了。チームが解散する段階。
試験での出題ポイント: 「対立(嵐期)が起きた=マネジメントの失敗」と捉えてはならない。**嵐期はチームが機能期に向かうための『不可避で必要なプロセス』**である。PMは対立を恐れて隠すのではなく、乗り越える手助けをする。
「そうか……!」新は膝を打った。
「今のうちのチームが壊れかけているのは、失敗しているからじゃない。遠慮し合っていた『形成期』が終わって、本音をぶつけ合う『嵐期』に突入しただけなんだ!」
視点が変わると、焦りが消えた。新は翌日、陸とデザイン担当の二人を集め、感情的な言い合いではなく「プロジェクトの目的」に立ち返るための対話の場をセットした。
「喧嘩をしていい。それはみんなが真剣な証拠だ。ただ、お互いのやりたいことではなく『ユーザーにとって何がベストか』でルール(規範)を決めよう」
衝突の先にある「統一期」を目指して、新は舵を切り始めた。




