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冷遇された伯爵令嬢、公爵令息に拾われ人生逆転します  作者: もも


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16 義弟の婚約者

 義弟アルフレイドが婚約をした。相手は二歳下の侯爵家の三女サマンサ様。ピンクゴールドの髪に金色の瞳の美少女だ。王立学院の生徒会で出会いアルフレイドが見初めたそうだ。

今日は我が家でのお茶会のはず。なのに応接室に行かず私の前で微笑んでいるのは何故だろう。


「お義姉様お会いしたかったですわ。アルフレイド様が言っていた通り可愛らしい方ですのね」


私より年下で凄く可愛い貴女にそう言われても頷けない私は悪くないと思う。


「ローズマリーです。アルフレイドはどこにいるのでしょう。婚約者の方をお迎えに来ないなんて駄目ですわね。今日のお茶会は応接室でしたでしょう?メイドに案内させますわ」


図書室から部屋に帰ろうと歩いていたら出会ったのだ。


「お義姉様とお会い出来て良かったです。刺繍のハンカチ見せてもらいました。素敵でしたわ。今度教えてくださいませんか?」


「連絡をくださればお茶会の後でもお会いしましたのに。

まだ婚約が決まる前でしたので気安く渡したものです。婚約者に見せるなんてデリカシーがありませんわね。捨てるように言っておきます」


「捨てるなんてとんでもないです。小さな頃から練習しているのですが上達しないのです。姉たちは忙しくて相手にしてくれないのでお義姉様なら教えていただけるのではと声をかけさせていただきました。あっお忙しいですわよね。申しわけありませんでした。忘れてください」



貴族令嬢にとって刺繍は必須事項だ。どこの屋敷にも刺繍が得意なメイドなり指導者がいるはず。これは貴族によくある遠回しの牽制?「私のアルフレイドにハンカチなんて渡すんじゃないわよ」とかいうやつなの?ならば


「機会があればぜひ。ではごゆっくり」


微笑んで社交辞令を残し、ちょうど通りかかったメイドに案内を頼んだ。




義弟との仲は順調だそうだ。


なのに視線を感じる。ウイル様とお茶を飲んでいたり、屋敷の庭を散歩している時に。

ウイル様狙い?天上の美貌と謳われているのは知っている。

手が届かなくても見るだけでも良いとか?


もしかしたら心の中だけのつもり?

それでもアルフが可哀想だ。アルフだって顔は整っているし性格も良い。

あんなに幸せそうな義弟が哀れでならない。


ウイル様に憧れるのは良しとしても、婚約者のいる身で私にまで感づかれているのは迂闊ではないかしら。





どうすることもできず月日は流れた。


伯爵家で会うのは減らしたが彼女の視線は未だ続いている。


私はもやもやした気持ちを持て余していた。





「気もそぞろだね。何か心配があるの?」

公爵家の庭園を散歩している時に心配そうにウイル様が聞いてきた。


「義弟の婚約者が気になるのは変でしょうか?」


「気になる?どうして?」


「私達のことをよく見ていらっしゃるように感じるのです。ウイル様に憧れているのならアルフが可哀想だと思いまして」


「私は視線には慣れているから何とも思わなかったけど、ローズが言うならそうなのだろう。探ってみようか」


「気の所為だと良いのですが」


「アレフのことだ。心配はいらないと思うけど」


「ことを荒立てる気はありませんが気になって。彼女の真意がどこにあるのか知りたいのです」


「お茶会をしてみたらどうかな?何か分かるかもしれないよ」


「打ち明けてくださるとは思えませんがお話をしてみても良いかもしれませんね」


「本当は私も側にいたいけど、素直に言わないと思うから外すよ。何かあると心配だから護衛と侍女は遠ざけないようにね」



私は招待状を彼女に送り当日を待った。



夕食後アルフが話かけてきた。人当たりが柔らかく紳士的で見目も整っている義弟だ。何故余所見するのか分からない。


「義姉上サマンサとお茶会をするんだって?」


「以前から刺繍を教えて欲しいと言われていたんだけれど忙しくて出来なかったから、せめてお茶を飲むくらいならと思ったのよ」


「刺繍か…結構うまいのにな。 あんまり褒めすぎたからかな。それともニ人のことを話しすぎた…?まあ仲良くしてやって」


「もちろんよ」


アルフは彼女の視線の先に気づいていないのかしら。それとも何かか考えがあるの?私が口出しするわけにはいかないものね。出来ることをしてみよう。


私は重く息を吐いた。



読んでいただきありがとうございます。少しでも楽しんでいただけると嬉しいです。

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