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妹の代わりにお見合いに行ったら溺愛されました  作者: 漆原 凜


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初恋

「あ。」

「ん?若様どうしました?」

「いや、なんでもない。」


学園の入学式で可愛い子を見かけた。護衛騎士であるミュートに怪しまれたけれど、フワフワとした金髪でクリっとした瞳が可愛くて目が離せなかった。


「おはようございます。フォルクレ様いつも早いですね。」

「おはよう。あのさ名前で呼んでよ。同級生なんだし。」

「ではリヒト様とお呼びさせて頂きます。私も名前でお願いしますね。」


そう言って笑う顔が可愛すぎる。入学式以来見かけては話かけている。双子と聞いているが全く似ていない。話かけると妹はいつも彼女を庇うように邪魔をしてくる。世の中目が悪いな、ララ嬢の方が格段に可愛い。


「花を直していたの?」

「はい。誰かが荒らしたようで…少し直してました。酷いですよね。」

「もう少し早く来てたら手伝えたのに。ゴメンね。」

「ではリヒト様一緒に道具片付けてもらえますか?重くて大変だったんです…。」

「もちろん!いくらでも運ぶよ!」


ありがとうございますと柔らかく微笑む顔に心を掴まれる。完全に惚れてしまったな。気を使わさないように片付けを言ってくれたり優しい彼女が好きだ。


「若様はララ嬢を?」

「え?何で?」

「ずっと見てますし珍しく話かけてますよね。でも彼女はダメですよ?」

「わかってるよ…今だけだから。」


入学後に彼女の事をすぐ調べた。彼女は後継者だ。いつも睨んでくる双子の妹と姉妹反対ならいいのに。嫁ぎ先を探してたならすぐ結婚を申し込むのにな。


「反対ならいいですよね。」


え?私声に出てた?ミュートが珍しく落ち込んでいる。


「え?まさかあの妹を?嘘だろ?」


頷くミュートに私は頭を抱える。お前護衛騎士のくせに何しているんだ。護衛対象の同級生に恋をするなよ。


「妹には婿入り出来ないな。」

「そうなんです…あの2人が反対なら良かったのに。若様どうかなりませんか?」

「後継者として勉強をしている彼女の邪魔は出来ない。私だって婿入り出来ないし諦める他無いんだ。」


2人ため息をつく。同じ悩みを抱いていたなんて思わなかったな。そのまま卒業まで彼女を見守り続けたが、まさか何年も引きずるなんて思わなかった。


「リヒトは誰となら結婚するんだ?してくれないと我が家が終わってしまう。」

「…そのうちします。」

「こんな事なら学園前にさっさと決めてしまえば良かったよ…」

「それは無くて良かったと思っています。」

「学園で誰か居たのか?その娘はダメなのか?」

「…」

「…また見合いの調整しとくから。」


こんなにも難航するとは思わなかった。卒業したら誰かと結婚するなどわかっていた。わかっていたけど誰に会っても無理だと思ってしまう。政略結婚などそんなモノだろうけど…結婚しても子供が出来ないなら、結婚しなくても一緒じゃないのか。


「明日見合いだからな。」

「…はい。わかりました。」

「アユーラ伯爵家の令嬢だ。明日準備しておくように。」

「え?」

「どうした?」

「ルル嬢ですか?」


そうだよと怪しみながら父上が部屋を出ていった。妹が来るのか。卒業以来だから久しぶりだな。約束をして家に行けばララ嬢にも会えるかな。会いたいな。


「来られました。」


呼ばれて行けばララ嬢がいる。え?何故?妹じゃないのか?ララ嬢ならすぐ結婚するけど。久しぶりに見る彼女はさらに可愛く見える。連れ出して話を聞けば妹と代わりたいと。期待に心が持っていかれそうだ。


「私と結婚しようよ。」


ずっと言いたかった。君と結婚したかった。ずっと一緒に居たかったんだ。君のためなら何でもするよ。そこからあっという間に婚約者まで持っていった。


「若様ありがとう!」


ミュートにお礼を言われたけど、私の目的のために利用しただけ何て言えないな。妹はわかってたみたいだしお互い利益が合致しただけ。


ララ自身は学園時代から婚約者がなかなか出来なかった事を気にしていたけど、私がずっと目をかけていたから当たり前だよね。離さないとダメだけど牽制し続けた。心の狭い私でゴメンね。これからずっと大事にするから。



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