強引
「あぁ2人ともおかえり。仲良くなれたかい?」
お父様達は仲良くチェスをしていたようで戻った私達に聞いてくる。リヒト様が私をソファーに座らせてくれ隣に座ると本題に入った。公爵様は令嬢に気を使う珍しい息子に驚いているようだ。
「私から伯爵にお願いがあります。私の従兄弟であるミュートをルル嬢へ婿として。そして代わりにララ嬢を私にください。」
「「は?」」
父達が仲良くハモっている。わかる。意味が分からないよね。私も未だによくわかっていない。どうして私と結婚したがるのだろうか?
「リヒトはルル嬢ではなくララ嬢?と結婚するのか?どういう事なんだ?」
「ララ嬢と結婚します。」
公爵様は納得出来ない顔をしているが、結婚するというリヒト様に少し嬉しそうだ。今まで断り続けていた人が結婚すると言うのだから。
「ミュート殿とはどなたですか?」
「侯爵家の次男です。今は私の護衛騎士をしてくれていて、年は私達の3つ上で学園は首席卒業ですし騎士なので強いです。すぐ婿入り出来ますよ。」
「いや!しかし我が家はララが跡継ぎでして…ルルではダメなのですか?!」
「嫁いでくるのはララ嬢で無いとダメです。これは絶対です。でないと私は生涯結婚しません。」
「リヒト落ち着け。本人達の意思もあるだろう?勝手に決められないよ?」
「そうですよ!ルルはいいのか?!」
「この子はララ嬢です。」
リヒト様は嬉しそうに私の手を取り微笑んでいる。本当に何故自信満々に見分けるのだろうか。
「へ?ララなのか?」
「…はい。申し訳ありません。ララです。」
「え?いや?いつから?また入れ替わってたのか?」
「2人は全然似ていないのに、何故見間違うのか私にはわからないです。父上私はララ嬢となら必ず結婚します。伯爵を説得してください。」
「よくわからないがわかった。結婚する気になったならそれでいい。とりあえずミュートをここへ!」
公爵様は使用人たち指示を出し、私達は頑なリヒト様に戸惑い続けている。その間も手を繋がれていて、温かい手に何だか嬉しくなる。
「あれ?ララ嬢じゃないか。ルルは?」
「妹は来ていない。ミュートが伯爵家に婿入りしろ。ララ嬢は私が貰い受ける。」
「…いいの?やったー!義父上よろしくお願いします!」
「いや…まだ…」
現れたミュート様は直ぐ様喜びお父様に話しかけている。ルルが好きだったの?接点あったのかな?意外だわ。ミュート様も私達の事を見分けているようだった。
「1度帰って我が家で話をですね…。」
家に帰り落ち着きたいお父様は解散を提案したが、ルル嬢を呼びましょう!とリヒト様に言われ撃沈している。ミュート様が迎えに行ってきます!と嬉しそうに去っていく。
「妹が来るまで私と過ごそう。父上来たら教えてください。」
「あぁ…わかった。ララ嬢すまないがリヒトを頼むよ。」
頼まれてしまった。手を引かれ何処かへ向かう。本当に結婚するのかな?何故目の前のこの人はこんなに嬉しそうなんだろう。
「入って。何もない部屋だけど。」
「はい。ありがとうございます。ねぇララ嬢。呼び捨てにしていい?結婚するのだからいいよね?」
「へ?はい。本当にするのですか?私でいいのですか?」
「本当にするよ。やっとララが手に入るのだから。ずっと君だけを見ていたんだ。」
「私だけ?」
「ララ大好きだよ。伯爵家を継ぐ君を欲しても無理だと諦めていたが、継がなくて良いなら話は違う。ずっと好きだった。」
「…私も諦めてて。リヒト様と結婚出来るんですか?」
可愛いってギュッと抱きしめられる。頬に手が添えられ目の前に端正な顔が近づき唇が重なる。え?口付けされた?角度を変えもう1度唇が降ってくる。頬にも口付けをされ嬉しそうな笑顔をされると何も言えない。
「今日何故妹の方なのだとずっと残念に思っていたよ。断ろうとは考えていたけど君の事を聞きたくて、何回か会おうと思っていたんだ…。機会があれば君に会えるかと。来てくれたのがララで良かった。」
「あの…恥ずかしいので出来ればあちらに座りたいのですが…」
私はソファーに座るリヒト様の足の上で横抱きされている。近くて緊張するしギュッと離さない様子に困ってしまう。
「離したくない。」
愛おしいそうに見つめられまた唇が重なる。何度も口付けをされ首元にサラッとした髪を感じた瞬間首筋に甘く噛みつかれる。抱きしめられているから逃げられない。食べられてしまう。
「若様!お客様が来られました!」
部屋がノックされルルが到着したようだ。チッと舌打ちが聞こえた気がする。続きはまた今度ねとまた唇が重なり、やっと離してもらえる。
「さぁ行こうか。まずは婚約からだね。」
そっと手を繋がれ頬に口付けをされる。リヒト様口付け好きだな。甘く微笑む彼にドキドキされっぱなしで私の心臓は壊れそう。




