お見合い
「ようこそいらっしゃいました。急に日程を決めて申し訳ありません。」
「いえ。我が家としても大変ありがたいお話ですので。娘のルルです。ご子息とは学園が同じで。」
公爵様はとても優しそうな方だ。目元がリヒト様に似ているな。将来こんな感じになるのかな。
「あぁはい。それが実は同じ学園出身者の方を順番にお呼びしておりまして…リヒトが何だかはっきりしないのですよ。どうにも学生時代に想い人がいたようで婚約者を決めようとせず、我が家としても困っております。ルル嬢も急にすまないね。」
想い人が居たのか。だから頑なに令嬢達を断っていたのかな?公爵様はとても良い方で和やかに応接室に案内してくれリヒト様を待った。
「は?ララ嬢?」
「…え?」
「なんで君がココに居るの?跡継ぎは辞めたの?妹の方って聞いてたんだけど。」
「リヒト?どうした?この方はルル嬢だよ?失礼じゃないか。」
「は?ルル?違うよ。どう見てもララ嬢だよ。ね?」
「あ…いえ。あの…。」
父親2人が混乱している。何故リヒト様は一瞬でわかったの??!誰にもバレたことないのに。
「庭に行かない?」
「え?」
「とりあえず行こう。おいで?」
「あ、はい!」
リヒト様に手を取られ部屋から出る。どうしよう。どうしたらいい?ルル助けて…。
「ララ嬢がお見合い来てくれたんじゃないの?妹の身代わり?」
「あ…あの、すいません。父は知らなくて…すぐ帰ります!断られたと言っておきますので!失礼します。」
「待って待って。帰らないで。お茶しよう?座ってよ。怒ってないし話を聞かせて?」
学生の頃のように優しく笑ってくれるリヒト様にさらに申し訳無くなる。やはり騙すべきでは無かった。
「妹はリヒト様とは関わりが全く無かったので、緊張するから代わって欲しいって…代わりに断られに来ました。ゴメンなさい。」
「君の妹は私の事苦手そうだからね。ララ嬢に久しぶりに会えて嬉しいよ。元気だった?」
「はい。私も会えて嬉しいです。卒業するとなかなか会う機会ありませんからね。」
「今度一緒に出かけない?舞台見に行く?街中行く?何したい?」
「…私とですか?妹は?」
「ララ嬢とだよ。妹は来なくていいから。いつにする?」
急に一緒に出かける話をされ驚いてしまう。リヒト様が誰か特定の令嬢と出かけるなんて聞いたことがない。懐かしいから誘われたのかな。どうしたらいい?
「あ、結婚相手は決まってないよね?」
「え…はい。なかなか良い方いなくて。最近妹と交代したいねって話をする位には困ってます。私には当主とか向いてないので…」
「君がなりたいのではないの?」
「違います。父が決めた事で妹の方が向いているのに…その方がお互い相手を探しやすいと思うのですが父には言えなくて。」
「へぇ…そうなんだ。じゃ、私と結婚しようよ。」
「…は?」
突然何を言われたのか全く理解出来ない。結婚?血痕?血?意味が分からない。
「ミュートわかる?学園で私と居た騎士なんだけど。」
「もちろんわかります。ミュート様はお元気ですか?」
「今日君の妹が来るからって隠れてるけど元気だよ。お見合いに来るルル嬢何て見たくない!ってね。来たのはララ嬢だったけど。ミュートを婿にあげるから君がお嫁に来て欲しいな。良い案だと思うんだけど。どう?」
「え…っと父とミュート様が良いなら…?でもリヒト様にメリットありますか?」
「君と結婚できるのが最大のメリットだよ。君の父上に話をしよう。ララ嬢は反対は無い?」
「あ、はい。え?何が起こってます?」
戻ろうと立たされ先程の部屋に戻っていく。歩くのが遅い私に合わせてゆっくり歩いてくれて、ずっと微笑みかけてくれる。いつも見てた笑顔より甘い気がする。
「ララ嬢と結婚します。」
部屋に戻りリヒト様はお父様達に直球を投げかけた。




