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二人の後を追って行ってわかった。
女と片腕がない謎の男は互いに愛しあっていた。
やがて、女は妊娠し幸せそうに男と笑いあっていた。
俺は強い憎しみに苛まれ、片腕のない男が女の部屋にいた時の監視カメラ映像を殺し屋たちに送った。
その時、俺は片腕のない男がそこそこ名の知れた殺し屋であることを知る。
殺し屋が殺し屋に殺される、それほど面白いものはない。
俺を裏切った女、その女に愛された男、そしてその間に出来た子供…。
全員、地獄に落ちればいい、俺はそう思った。
俺の狙い通り、片腕の無い男は殺し屋たちに狙われ、子供を身ごもっていた女と別れた。
女は女で殺し屋に狙われていることも知らずに、馬鹿な男だと、俺は思った。
そのまま放っておいても、奴らは全員、命を落とす。
ただ1つ、気がかりだった。女の子供は、殺し屋の男の子供か、それとも、風間の子供なのか…。
――あれから二年。
俺は女の尾行を続けていた。
女には双子の子供が生まれ、女はある診療所に身を寄せているようだった。
俺がそこを訪れても、診療所の老人は女のことを隠しているのか、
口を割ろうとしなかった。
俺は殺し屋に連絡し、診療所に女がいることを告げた。
危険を察知したのか、女はその日に幼い双子の子供と共に診療所から出ていった。
女はそのまま児童養護施設に向かい、その裏口に双子を置いていった。
やがて、施設の職員が泣いている子供を見つけ、周りに親がいないか、確認しに向かった。
双子の片割れが泣きながら職員の後をついていく。
俺はすでに女の姿がないことを確認し、泣いていない双子の片割れ、双子の妹であろう子供の手を取り、施設を後にする。
夜の帳が街を包み始めたころ、一つの横断歩道で足が止まる。
向こう側に立っていたのは、あの女だった。
女もまた、こちらへ気づく。
驚いたように目を見開き、すぐに子供へ向かって駆け寄ろうとした。
その瞬間、俺は女に歩み寄り、そのまま女を歩道橋から突き落とした。
静かな夜に、周囲の空気だけが張り詰める。
辺りを見回しても、人影はない。
防犯カメラらしきものも見当たらなかった。
道路に落下した女はその場から動かなくなった。
子供は何も分からないまま、小さく俺を指差す。
そして、無邪気に笑った。
その笑顔だけが、夜の静けさの中で不自然なほど明るく響いた。
俺は子供を抱きかかえ、振り返ることなく歩き出した。
ネオンが揺れる夜の街へ。
俺達の姿は、ゆっくりと闇の中へ溶けていった。




