表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
3/8

3

風間は、女の計画どおりに動いた。


階段の下で倒れていた女を保護すると、記憶を失っているという彼女を放っておけず、そのまま怪しいマンションへ連れて帰った。


俺は、その様子をただ影から見ることしかできなかった。


風間が一人、マンションから出たその時、俺は身体にバスタオルを巻いた女と入れ替わる形で部屋に入った。

女は隣の部屋の扉をノックしていたが、俺は特に気にすることなく、女との約束どおり室内に小型の監視カメラを設置した。


作業を終え、部屋を出ようとしたときだった。

玄関の向こうから話し声が聞こえる。

女が隣の部屋の住人と何かを話しているらしい。


女は終始落ち着いた様子だったが、扉越しでは会話の内容までは聞き取れない。

彼女が部屋に戻ってきた、そのタイミングで俺はその場から離れ、マンションを出た。


その日の夜から、俺はリアルタイムで映像と音声を記録、確認し続けた。


パソコンのモニター画面の向こうでは、風間と女が何気ない会話を交わしたりしている。

互いに警戒しているようにも見えるが、ときおり自然な笑顔がこぼれる瞬間もあった。

その光景は、まるで長年連れ添った知人同士のように見えた。


俺は何度もモニターから目を逸らそうとした。

それでも、視線を外すことはできない。


風間が女に名前をつける姿、女が風間にキスしている姿が、辛くて見ていられない。


「なにが、雨音(あまね)だ…くそっ!」


『…ドキドキした?』


その女の声は監視を終えたあとも耳に残り続け、俺の胸の奥に拭いきれない焦りと疑念だけを積もらせていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ