自分たちの車輪
セインは差押え文書を持って、青麦鎮へ行った。
二日後、別の文書を持ち帰った。
さらに厚い。
「追及は失敗した」紙の端をカウンターに揃える。「金穂北倉は、青麦北口で唯一の王国認証検査場を持つ。北西貨物補充条例により、入場検査していない貨物は暫定差押えできる」
「補充条例は誰が出した」
「金穂商盟だ」
「誰が承認した」
「金穂の糧運に頼る地方領主、七人」
「誰が取り消せる」
「王都交通庁。通常の再審は六ヶ月」
残りは七十九日だ。
法は無効になっていない。
車より遅いだけだ。
車夫十二人は旧風笛に住み、荷を待っている。荷は押さえられ、手数料は出ない。牛を飼い、馬草を買うのは毎日続く。
三日目の朝、いちばん若い車夫が鍵をカウンターへ戻した。
「チェックアウトする」
「荷はまだ戻っていない」
「金穂の者が昨夜、来た。入れれば、差押え記録は取り消せる」
ほかの者は、彼を罵らなかった。
家族四人が収入を待っている。勇気では牛は飼えない。
保証金を返し、約どおり二晩分も免除する。さらに四人の車夫が続いてチェックアウトし、十二台のうち七台が残った。
鍵がカウンターへ落ちる、その一打ずつが、値下げ票より効いた。
「追及は続ける必要がある」セインが言う。「だが道路期限を再審に預けてはいけない」
「なら自分たちの検査場を造る」ガルドが言う。
「認証に少なくとも三ヶ月要る」
「金穂の倉庫を奪う」ガンドが言う。
「原則として許されない」
「次のページに例外はあるか」
「ない」
フィアが窓から顔を出す。
「空から運ぶ。金穂は地上の車を見る。箒は見ない」
「月豆五十袋なら、羽民三十人が八往復」ランジャがゆっくり計算し終える。「人が落ちる」
どの案も、一つの問題を解決し、二つ作る。
庭に残った七台を見る。
「晴風は自分の車隊を作る」
商業ギルドの代表が首を振る。
「車が足りない。駄獣が足りない。差押えのリスクを負う者もいない」
「なら青麦北口は通らない」
旧王道の終点は、青麦鎮ではない。
北へ霧谷を抜け、ドワーフ山城へ直結する。道はまだ直っていないが、旅灯とアランは前の二十一里を指せる。
最初の一便が通れば、晴風はすべての荷を金穂唯一の倉門へ押し込む必要がなくなる。
車隊を組むのは、実際より簡単に聞こえる。
牛角族は重車を引くのを厭わないが、駄獣扱いされるのは厭う。正式な運転手当と、車両の決定権が要る。
羽民は案内を厭わないが、濃霧の低空飛行は拒む。
河妖は水膜で鮮度を保てるが、各車に水槽を載せろと言う。重量で荷が二割減る。
商業ギルドは商品を多く積みたがる。
ルミラは十日分の口糧を必ず持てと譲らない。途中の補給は当てにできない。
ガルドは各車に予備輪を一つずつ増やせと言う。
「水、糧、輪を積んだら、何を積む」会計が聞く。
「生きて戻る車夫を積む」と僕は言った。
最初の試し積みで、六台が現場で過重になった。
ガンドが先頭車を北門から出した途端、平路で車軸が呻く。後続が避けようとして水槽をひっくり返し、河妖職人の鮮度保持の水膜が道いっぱいに広がり、見物の二人を月豆畑へ滑り込ませた。
ルミラが畦に立ち、口調は相変わらず穏やかだ。
「今夜、シーツを洗う人は三名に増えます」
荷を全部卸して、分け直す。
すべての車が、すべての機能を持たなくていい。
重貨車二台は牛角が運転し、煉瓦と道具を積む。糧車二台は河妖の水槽で鮮度を保つ。修理車一台はガルドの道具と予備輪。補給車一台は灰耳族が糧を見る。最後の一台は三割を空け、負傷者と故障の転送専用にする。
羽民は地面すれすれで先導せず、見通しのいい高所から色つきの路標を落とす。フィアは風向きで発着時刻を決め、一人ひとりの案内はしない。
「先頭車の上を、ずっと飛べる」
「お前は風路の全体図も描く必要がある」
「二つはぶつからない」
「前回、ぶつからないと言ったとき、宿屋は屋根の半分を失った」
彼女は二秒、黙る。
「今度は幌一枚まで」
セインが、晴風車隊の最初の章程を書く。
運賃は公開。
運転、案内、鮮度保持、修理は別々に給与を数える。
荷主が商品リスクを持ち、車隊が操作過失を持ち、天候リスクは公共保険金が半分を払う。どのギルドも全車両を独占できない。緊急の糧運が優先。
「保険金はどこから」と僕は聞く。
「運賃ごとに二十分の一を取る」
「最初の一便に収入はない」
「鎮庫が金貨一枚を立て替える」
ルミラが帳を繰る。
「多くて銀貨五枚。道路の資金を、一便に全部預けられない」
足りない分は僕が持つ、と言いかけた。
フィアが先に筆で手の甲を叩く。
「また全部の車輪が壊れないと保証するつもり?」
「違う」
「盃を拭く速さが上がった」
盃を置く。
最後に、製造、農業、商業の三ギルドが銀貨二枚ずつ、鎮庫が銀貨五枚、参加する車夫は給与の一割を延払いで出資した。誰も家計の全部を預けず、成功のあとで車隊を独占できる者もいない。
七台を積み直す。
ガルドが車軸を検め、河妖職人が水槽を見、羽民が幌に晴風の風標を塗る。ベリーが横に赤い火を足したがり、全員一致で否決された。荷がすでに燃えているように見えるからだ。
出発前夜、旧風笛は二階を全部車隊に空けた。
部屋は職務で分け、種族では分けない。夜航の羽民はいちばん静かな防音室、牛角の運転は広い扉の部屋、河妖職人は浴室に近い二室。七号が白楊前駅から分駅登録の書式を一式送り、危険物欄まで残してあった。
アランはそれを見て、たいへん怒った。
「なぜ車隊全部で、吾だけが単独登録なのだ」
「ベリーが行かないからだ」
厨房は未明三時に火を入れて飯を作る。
ルミラが十日分の口糧を七つに分け、各車が予備糧を勝手に開くのを禁じた。ボニーはまだ晴風に来ていない。菓子は宿屋の料理人が作り、見た目は普通だったが、ベリーが門口で番をして、味は悪くないと証明していた。
隊員一人に、旅灯の印を刻んだ木札を渡す。
「はぐれたら、まず止まれ。勝手に探すな。羽民の青煙は路通、赤煙は引き返せ。アランは道を開ける。崖の上に橋は出せない」
「吾がよく橋にされそうな言い方だ」
ガルドが鞘を叩く。
「焦るな。道路工事では必ず要る」
明け方、七台が晴風を出る。
金塗りはなく、幌も揃っていない。牛角の運転席は広くなり、羽民の高架の横木は物干しのように見え、河妖の水槽は一路、細い水光を揺らした。
たいへん不揃いだ。
だがどの車輪も、このリスクを負うと決めた者のものだった。
前の二十一里は順調に通る。
白楊前駅が輓牛を替え、七号が各車に最初の分駅印を押す。その先、旧王道はまだ掃いていない霧谷へ入る。
夕方、アオバが車隊の最後の短い箋を持ち帰る。
紙には、ガンドの歪んだ一行だけがあった。
|霧が動く。道もついて動く。今夜、二盞目の灯がない。|




