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私とストーカーと魔法の学校  作者: WLCノベル
第2章 初等部
47/59

46 テリヤキ

春はさくらテリたま

 寮の部屋に戻った私を、レイスはあきれ顔で迎えた。


「何買ってきてるの?」


 呆れられたのは、私が両手いっぱいに抱えている大荷物だ。


「主に調味料なんだけど、味噌とか醤油とか、学食の食事には使われてないでしょ」


 料理は確かに美味しいのだけれど、お国柄なのか内容は洋食に近い。なぜかカレーはメニューにも載っていたが、味噌汁や醤油には、お会いできなかったので、あると確信することもなかった。


「ああ。確かに、生産量が低いだけではなく、野菜やフルーツで作った調味料が充分美味しいから、需要的にも供給的にも広まってないよね」


 それで困るとも思えないけど。

 当たり前みたいに付けたしたレイスは、非国民だと思う。


「そんなことないですとも!!!」


 私の味方になってくれたのは……予想外だったけどとくに意外ではないかもしれない、部屋付の騎士、アンナ(前世はチキン)だった。


「王子もレイスも全然わかってないから諦めていたんですが、こんなところに同士がいたとは!!! テリヤキは正義ですよね!!」


 は? テリヤキ?


「ハンバーガー屋にいけば迷わずテリヤキバーガーを注文する、これが日本人でありますよね!!!」


「あ、いや……」


 私はエッグマフィンや月見バーガーの派閥に属しているとか、言いにくい雰囲気だ。


「アンナはテリヤキファンなんだ。ボクも王子もとても同意する気にはならないし、とても付き合っていられないから、醤油を取り寄せたりはしてないけど」


「騎士の給料で常備するには、醤油は高いでありますので! たまにしか食べられないであります!」


 んー、


「じゃあテリヤキチキンでもする?」


 なんとなく言った言葉に、アンナは瞳を輝かせる。

 これなら……。


「鳥肉がないんだけど、手に入るかな?」


「大丈夫であります! 生徒はともかく騎士の多くは自炊をしておりますので! 私も生協で頼んだ肉が、まだ余っているでありますので!」


 生協……。

 まあ生活協同組合の略だから、固有名詞でもない……のか?


「えーと、私みそ汁も食べたいんだけど、ネギとかある?」


「乾燥わかめも常備してるであります!! みそ汁も自分、食べるの得意であります」


 食べるの得意って……。

 まあいちいち突っ込まないけど。


 後は……。


「アンナは自炊だって言ってたけど、どこで料理してるの?」


「騎士舎にはキッチンがあるであります! でも……リオナさんを連れていくわけには行きませんね……」


 アンナが目に見えて落ち込む。

 いや、私は食べたいだけだから、料理はアンナに任せてもいいんだけど、という前に、レイスが苦笑した。


「この寮にも生徒用の調理場はあるよ。特別な日に特別な料理を食べたい人のためのものだけど、許可をとって上げるから、そこを使うといい」


 おおう。権力とか言わなくても、そんな便利なものがあったのか。


「まあ、あまり利用者が増えたら困る程度の規模だから、一部の生徒にしか知らせてないんだ。リオナもアンナも、他言無用に頼むよ」


 ああ、やっぱりちょっと権力だったと納得するも、こんなにスムーズに話が進んだのは、アンナがテリヤキファンだったおかげだと思って、テリヤキに少し感謝する私だった。

アンナはテリヤキファンで、リオナは目玉焼き系バーガーのファンです。

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