41 絶叫スケボー
短いです。
私は思い出した。
絶叫系が苦手だったことを。
にゃーーーーーーーーーーーー!!!
スケボーのような魔道具は、私とボアを乗せて坂を滑走している。
風を切り、コブがあればジャンプし、カーブは片輪をはね上げて曲がった。
ない、ないわぁ!
私はボアに捕まっているのが精いっぱいで、景色を見る余裕などどこにもない。どころか、恐怖のあまりギュッと目を瞑ってしまっていた。
ど、どうせ目を開けたって、ボアの後頭部しか見えないしね! うん。
「どう? 最高に気持ちいいっしょ。もぉ、どうにでもしてぇ、って感じじゃない。おっとまいったネ!」
ボアが何か言っているが、気の利いた言葉を返すなんて無理だ。
そもそも、石である程度整地されているとはいえ、ガタガタの道を滑走しているのだから、揺れもハンパないし、口を開いたら舌を噛むこと必須。
私にできることと言えば、ボアの後頭部にワンパン食らわすことくらいだが、一応ネコ被っている以上それもできない。
わたしは自制心総動員で、ボアの軽口に耐えた。
「ははっ、楽しいね、楽しくない?」
うっせえわ!
スケボーは、まさに転がり落ちるような勢いで坂を下って、半時もしないうちに平坦な道までたどり着いた。
ゴロゴロゴロゴロ……ゴロ、キッ。
しばらく惰性で進んだ後、ボアがスケボーな魔法具を制止させる。
と、止まった。
よろよろ、私は蛇行するように地面に降りたって。
ああ、地面って素晴らしい。
「あ、もしかしてリオナって乗り物弱いタイプ。それともたくましい俺に抱きついて、よっちゃった感じ?」
「…………」
さっきのは絶叫系であって乗り物ではないし、ボアは特にたくましくないと思うけど、今は返しを考えている余裕はない。
はぁ。
半眼でため息をついたら、よろよろと道の端に移動して、そのまま座り込んだ。
うげー、気持ち悪ィ。
「えーと……」
ボアの声は苦笑交じりだ。
「襲っていい?」
なんでそうなる? いいわけあるか!
なんて言葉もなんとか飲み込んで、私は無言で気力回復に努めた。
リオナは結構弱点が多いという話。




