24 女子寮
レイスに案内されて着いた女子寮は、石と煉瓦を組み合わせて作られた、趣深い建物だった。さりげなく蔦でグリーンカーテンしている所も好ましい。
敷地面積も申し分なく、石煉瓦の塀で囲まれた敷地内にはイングリッシュガーデンがあり、その奥には薔薇の咲き誇るテラスがあるらしい。
「学校の敷地から市街地までは距離があるから、ほとんどの生徒は休日もこの寮で過ごすんだ。特に良家の子女は結婚前に問題を起こすわけにいかないからね、学校にいる以外の時間は、ほとんどここにいると思うよ」
ほう。
説明くれたレイスを、思わず胡乱気に見つめてしまう。結婚前に問題って……。
「何? この国の一番の嫁ぎ先は王の側室だよ。いずれ王になるグール王子のお手つきになれるなら、それ以上の幸運はないでしょ」
「第三王子だよね?」
「それが何か?」
ニコニコと、その瞳の奥には殺意がくすぶっている。きっと、邪魔するヤツがいたら、どんな方法を使っても排除するつもりなのだろう。
「話を戻すけど、そんなわけで多くの生徒が長い時間過ごすことになるこの女子寮は、施設も充実している。食堂や浴室は当然として、図書室、勉強室、音楽室、遊戯場や天文室なんてものもあるんだ」
それはすごい。
「入口に見取り図があるから、後は自分で確認するといい」
「了解」
そして私たちは、女子寮の入り口の扉へ進んだ。
煉瓦畳の短い道を歩いて、入口の扉は3メートルほどの高さがあり、草花をモチーフにした、重そうな真鍮のノッカーがついている。
レイスがノッカーで足図すると、中から扉が開いた。
自動ではなく、扉係の女騎士が二人、中から開けてくれたのだ。
セキュリティのために閉じてはいるが、お嬢様にこんな重い扉を開けさせるわけにはいかないという話なのだろう。
「お帰りなさいませ、ゴルドバール様」
出迎えてくれたのは、美しい金色の髪の、これまた女騎士だ。
「そちらは新入生様ですね?」
初対面なので、相手が私の顔を知らなくても仕方がない。
「私は寮母を務めさせていただいておりますアンジェリカ=フォンダです。いたらぬ点もございましょうが、精一杯努めさせていただきますので、どうかよろしくお願いいたします」
「リオナ=クゼインです。よろしくお願いします」
軽くお辞儀をしてから、私は女子寮の中に足を踏み入れた。
ようやく女子寮につきました




