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私とストーカーと魔法の学校  作者: WLCノベル
第2章 初等部
23/59

22 レイス

 そう言えばまだ名乗ってなかったね、と前置いて、女装少年は名を名乗った。


「ボクはレイス、ゴルドバール家の二男だ」


「ゴルドバール?」


「ああ。昔から王族の側仕えをさせてもらっている家なんだ。爵位は一応男爵だけれど、それは褒賞でもらっただけで、あまり重要視されてない」


 男爵ってことはうちと同等か……。

 でも名前だけってことは、領地の方は適当なのかもしれない。


「はい、拭いて」


 手錠を外して、先に水からあがったレイスは、吸水性の高い布を突き出した。


 なんでこんなものが? とかはわざわざ確認したくもない。プレイの後、王子が身を清める必要もあるだろうし、プレイ中にも使うかもしれない。


 その通常用途を考えると少しブルーになるが、布には何の罪もないで、私は池から上がって受け取った。


 最初こそレイスのことを男と知って意識したけれど、レイスはそれとわかっても性別を感じさせないし、脱ぐときに全然隠してなかったものを、今更恥じらうとかもなんだか虚しいし。


 隠すより速さを重視して、体を拭き、用意してくれた服を身につけた。


「で、もう行っていいの?」


 確認のために聞くと、軽く肩をすくめて、……これは肯定?


「別に行っても構わないけど、同じ寮に行くんだし、部屋は同室にしてもらうから、先に帰ってもあまり意味はないと思うよ」


「……男、なんだよね?」


「王子の相手を捜すには女子寮にいた方が都合がいいから」


 当たり前みたいに最低な理由だ。


「同室なの?」


「戻ってから調整させる予定だから、今はまだ違うかな」


「……逃がさない……てこと?」


「執行猶予中も監視は必要だろ?」


 王立の学校だもんなぁ。王子の威光があれば、部屋割りくらいなんとかなるよね。


「私たち、アンとダイアナみたいね(棒読み)」


「あはは、本当だね」


 私の持ち出した古い名作文学にレイスは相槌を打って、ほんとに前世記憶所持者なんだよな、とお互いを確認する。


「あ、そうだ」


 レイスが急に目をまたたいた。


「……なに?」


 警戒しながら促すと、レイスは斜め上を見てから、私に視線を戻した。


「君を殺したのはストーカー?」


「え?」


「ユウシャもボクも王子もあのストーカーに殺されてここにいるから、君もそうなのかと思って」


 え……。


「あのスト-カーなら、君を殺して僕も死ぬ、みたいなウカレたことも言いだしそうだし、アリかな、と思うんだけど」


 いや、アリかナシかで言えば、たしかにあったことだけど……。


「どういう意味?」


「否定しないってことは肯定かな。これは繋がったかもしれないね」


「だから何が?」


「前世の記憶持つ者の共通点。殺戮者である本人を含めて、全員があのストーカーによって殺されている。ボクは王子を殺されて、アイツを法廷に引きずり出そうとしていたから、アイツが殺した相手は多少把握しているんだ」

探偵役?

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