表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
詩集・『碧き影の星の歌と紅蓮の瞳孔の揺れた焔』②  作者: 風快李吏


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
18/40

⑱「Side(ぬいぐるみ)」

声をあげてなくことができれば どんなにいいものかと

結局気付かれずヒトリになると 声を潰して叫んでいる

慟哭もできないのはあたりまえ だって

僕はただのぬいぐるみ 埃塗れの(ホツ)れたおもちゃ

キミはまだ知ってる? 部屋の片隅の箱とその中を

でも僕は知っている 膝を抱えて黙っている


昔の僕は 子供のキミはまだ真っ白で

本当の自分が何処にあるかなんてそれぞれ捜すこともなかった

塵が積もって随分色あせたこの体も

キミは遊ばなくなって 見知らぬ振り

それでも時は悪戯に流れてゆく 僕は動かないままそこに居る

最後の別れの時 その時さえ気付かれなかった……

いつしかキミは大人になったいた


古びた想い出のペンダント かつてキミがくれたもの 

このまま飛び出して行きたいけれど ここに優しいキミ手もないし

話しかけてくれる言葉もない

あるのは冷たい箱の壁 キミの寄り添う肩じゃない

キミの部屋 今は誰もいない空き部屋

誰か知ってる? 箱の中のおもちゃを

華やかな外界から溢れて聞こえる 最近のGame 最新のMusic

一緒に思い出す キミは恋に落ちてしまったあの日を


昔の僕は 子供のキミはまだ無邪気で

未来が素晴らしいのかなんて分からなくてどうでも良くって

捨ててあった一人ぼっちの僕を拾って キミは笑っていた

こんな自分でもまだ役に立つんだ…… キミが教えてくれた

乱暴に扱われて傷付いるこの身体 また泥に塗れていても

ただ優しく拭って 洗ってくれていた


キミはもう大人 僕はずっとこのまま

時が過ぎて 太陽は昇って沈んで繰り返し

だけど箱に大事に仕舞われているんだ

僕は知っている ずっと前から

あの頃のキミはもう戻って来ないことを……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ