第三章−繁栄都市パレーディア−【プロローグ】
外の世界に出てから、僕らはオディギアという小さな光を見つけた。しかし、その光は瓦礫の下に埋もれた。
彼女は今も、廃都市地帯にいるのだろうか。
それとも、風に乗ってどこかへ流れているのだろうか。はたまた、夜空の星の一つか。
でも、確かに言えることが一つある。それは彼女との出会いこそが、このディザイア大陸を生きていく上での初めての案内であったこと。
その案内、もとい、洗礼がなければ僕は未だにこうして生きられていないだろう。
そうして、オディギアへと別れを告げ、僕らは『繁栄都市パレーディア』へと向かう。
繁栄を冠す都市、パレーディア。そこは成果だけが全ての実力社会であり、弱者は淘汰されていく、正しくも残酷な現実主義の世界だった。
時にして、終歴903年。『ギルド』と呼ばれる政府が上に立ち、その下では『キャラバン』と呼ばれる企業が乱立しては消えていった。
興っては潰える、そんなサイクルを繰り返して、その都市は繁栄を極めていく。
ある者には贅沢が、ある者には困窮が。上層と下層がないとは言え、その情勢はさながら、僕らの故郷を想起させた。せめてもの救いは、外界との接触を積極的に取っていることか……。
しかしそれも、結局はパレーディア発展の為、そんな一つの目的の為の踏み台に過ぎない。
「正直、寂しいよ」
次へ次へと新天地へ進むのに対し、心奥には当然のように不安があった。けれど、側にメディさえ居れば、そんな不安もかき消して、僕は前へ前へと進めていける気がしていた。




