第2章-64
使用するにはあまりに危険とされてきた兵器類が置かれている中
一際目立っている存在があった
部屋の奥の壁際、真ん中辺りに格子状に囲まれた鳥籠の様なものが置いてある
この鳥籠は
成人が身体を丸めてギリギリ入れるくらいの大きさだが
出入口は上部にあり
握り拳が入るくらいの大きさしかない
格子は完全に前面を覆っていて
接合面などはない
出入口より大きい物を入れる為には
どこかしら切断するしかないだろう
そんな中に入ってたのは
木材
だろうか?
格子にもたれかかる様にして
若干だが格子に食い込んでいる
木材にしては柔らか過ぎる印象を受ける
「これ?」
真っ先にタキが口を開いた
「さあ?・・・」
他を見回しても自分達ではよく分からない兵器しか目には入らない
”謎”と言われたら
これの存在自体が”謎”だ
何が”謎”かもよく分からない
全体を観察してみても
分からないことしか分からない
一つだけ言えるのは
どうやってこの木材を入れたのか?と言う点だけだ
元から入っているものと言われたらそれまでだ
3人とも疑問を浮かべたまま
何かないかととりあえず観察を続けていたが
ナルが後ろから声をかけて来た
「それ、ですね・・・。キニ爺が言ってた、謎」
歩いて近付いて来たので3人とも道を開ける
「数年前に、こ、この檻の中に突然現れたらしい、です・・・。こ、この木材自体はサバルと言って、非常に軽いのが特徴です・・・。しゅ、瞬間的には結構な硬度が、ありますが、硬度の持続性は無く、段々とこのように食い込んでいくみたいな、柔らかい木材、ですね・・・」
どこかで聞いたような・・・
「この檻はみて分かるように、ち、小さな生き物を捕まえて入れておく、単なる檻です・・・。し、しかし檻自体は結構な硬度が、あ、あって、接合面もないので逃げ出すのは、か、限りなく不可能に近いです・・・」
「と、当時は兵器開発に使用する脅獣の、子供を捕獲して、い、入れておく予定だったみたいです・・・。けど、突然こ、この木材が檻の中に現れて、け研究棟内部で起こった、不可思議な現象だった、のもあって、研究者達が、そそそのままにしておけと、言って聞かなかったみたい、です・・・」
なるほど
「け、研究者達はこぞって、この”謎”を解明しようとしましたが、結局のところはわ、分からず仕舞い。入れ方も、入れた理由も分からず、ただ、と、解き明かす程のことでもない、んじゃないかと言われ、次第にけ、研究者たちの興味も薄れていった、そうです・・・」
「ふ、不思議ですよね・・・、こんなの、ここにと、突然現れない限りは、入れようが無いじゃ、ないです、か・・・へへ。」
ナルは分からないことが嬉しいのかニヤニヤしている
研究者の中には解き明かした時点で価値を失かったかのように興味をなくす人もいるし
分からないことに情熱を注ぎ続ける人もいる
ナルはどういう研究者何だろうか
俺達3人は結局
”謎”と言うものがその存在自体も謎であることが分かっただけで
ナルの好奇心を満たせたと言うことで今回は意味があったんだと考えることにした




