第2章-63
研究棟とは
例えば脅獣の死骸を解剖することで何を食べているか見て生息域を推測したり、好みを割り出したり、血液から免疫抵抗を調べたり
古代の文献から現代では失われてしまった技術を復元したり
この世界で約半分を占める、人間が安全に生活するのは不可能とされる危険域から採取された植物、昆虫などを調べ、生態系を調べたり
あらゆる研究分野が犇めき合うダイザフのど真ん中に位置する建物だ
元は割りと小さな建物だったらしいが
研究する対象、内容がどんどん増えるので
建物自体も増築に増築を重ねて非常に大きな施設になっている
予め計画されて建てられた施設ではない弊害で
施設内の廊下などは迷路のようになっていて
微妙に利用し辛い側面はあるものの
逆に研究内容を外部に持ち出すのも一苦労ともあって
不便を利用した要塞のようになっている
その中でいくつかある
限られた物しか入ることを許されない部屋にて
突如、出現した物体が見つかったとか何とか
物事の”謎”に対して興味をそそられる人間ばかりの研究棟にて
いきなり現れた”謎”は
当初とても研究者たちの興味を惹いた
しかし中々入ることを許されない部屋に
何とかして入る権利を得て
その”謎”を調べてみようにも
”謎”であること以外には特に調べようもない
どうしてこうなったか?
は分からないが
こうなったからなんだ?に関しては結果しかない時点でほとんど調べようもない
あらゆる研究者の目には止まったが
すぐに興味を失う者ばかり
しかし”謎”を謎のまま失くしてしまうのも研究棟として許し難い
仕方なくそのまま放置されているらしい
ナルはその”謎”に対して今とてつもなく興味を惹かれているようだ
暇ではないが
ナルが「その”謎”を確かめないことには他のことが手につかない」と、控えめながらも譲らないので
タダッキニ先生も手配してくれると言うことだし
4人で行ってみることにした
・・・
その部屋は研究棟の最奥
とまでは言わないくらいの
それでも結構色んな部屋を経由しなければたどり着けない部屋だった
過去に使用された
脅獣に対しては有効であるが、人の生活に対しても影響が出てしまう兵器
がそこにはいくつも保管されていた
この兵器達ををより安全にしたものなどが今は利用されている
なので大事な資料であると同時に
限られた研究員しか入ることを許されないらしい
今回はタダッキニ先生の推薦で
ナルの今後の活躍を期待されて特別に入ることを許されているみたいだ
俺達も同行させてもらったが
タダッキニ先生によれば、あまり芳しくはないらしい
なので他3人が部屋に入ったことは吹聴しないで欲しいとのこと
こっそりならギリギリなんとか庇いきれるようだが
友人のかわいい孫に甘いと言うかなんというか
当然、実績ありきではあろうが・・・
俺達からすればその
危険な研究資料達に関しては
何がどう危険であるかすらよく分からなかった
まったく知見のない分野の博物館にでも来たような感覚だ
見て「へー」程度
キョロキョロ見てはみたものの
勉強になる水準にすら全く達してないようだ
ナルはと言うと
興味津々に兵器類も見学していた
俺とルートとタキは一通り見て回ると早々に
問題とされている”謎”の方へと足を向けた




