第2章-62
「俺達の目標はまず、『狩人』になるところからだ。その為には『初歩』しか受けられないダイザフをいずれ出ることになる。(※第2章-21)『狩人』の前段階として『実践級』を学ぶためにフォールポータイル大陸に移動するが、そこで言語に不自由しては出遅れる。よって今の内からフォールポータイル大陸で主要に使われているアプタン語を習得する。そして『狩人』になる為には更に北に位置するマリノース大陸に移動する必要がある、そこで主要に使われるドオ語も同時並行で習得するぞ。先に必要になるのはアプタン語になるからドオ語の優先度は下げても構わんが、出来ればダイザフにいる間にドオ語も殆ど話せるようにはなっておきたい。ここの教諭方は優秀な方ばかりだからな。」
ルートが今後の方針を話してくれている
俺達が今いるナインズ大陸は安全圏であるがために
『狩人』として活動している人間は最低限しかいない
最前線に向かうためには北上してマリノース大陸までは行く必要がある
大陸を渡ると使われている言語も変わってくるので
優秀な言語学の先生がいるダイザフにいるうちに習得してしまおうと言うことだ
「ついでに、と言う訳ではないが・・・。」
俺の方をルートがチラッと見た
「クロスのスキルも多言語を勉強するうえで、何かしらの糸口を見付けられれば良いと思っている」
「わ、私もそれは、みんなでやった方が、良いとおお、思いますっ」
「私も気になってた」
有り難い
ジーンときた
ルートも「ついで」とかなんとか言ってたが
何なら先に俺のスキルについてどうするかを考えてたまであるかもしれない
スキル名が分からないなら言語の造詣を深めてみるのはどうか?
それを踏まえた上で
今後のことを考えれば言語習得はあれば役に立つ
という道筋に至った可能性は結構ありそうだ
実際
大陸を渡っても言語の壁で不自由になる場合は
どちらかと言うと少ない
話せなくてもどうにかなるものではある
当然
「交信」を主として行うのであれば絶対にあった方が良いが
それでも交信相手は多言語話者であることが多いので
やっぱり何とかなる
そう言うところは正直になれない奴だ
素直に受け取っておこう
「ありがとうみんな」
迷惑をかけてごめんと言いかけて止めた
好意を好意としてだけ受け取る方が良い
代わりにニコッと笑って見せた
「俺のこともだけど、ナルの『工作』における研究も疎かにはしたくないよね」
ナルはいつもは毒に対してのことを良く語るが
実際にやっていることは毒の研究ばかりではない
実践的な武器開発や
罠の小型化、軽量化
タダッキニ先生との共同開発も何か手掛けているらしい
「時間が足りんな、毎日全部は出来ないぞ。周期的に順番を決めてやっていく他ないな」
「あう、す、すみません・・・」
「謝るな、ナル!必要だからみんなで協力するんだ、頼りにしてるぞ!」
「は、はいっ」
16歳までの丸々5年間とちょっと
時間としては長く感じるが
やっていくことを考えるとそれでも時間は足りないように感じる
それだけに早い段階でこの4人が集まれたのは凄く大きいと思う
「あ、あの・・・」
ナルが恐縮そうに皆を見ながら手を挙げている
「なんだ?かしこまらずに何でも言ってくれ」
「はい・・・、時間が足りないと言ってる中なんです、が・・・。キニ爺から興味深い、は話を聞きまして、きょ、興味があるなら見せてもらえるように、伝えておくと言われてて。あの、け研究棟の最上階に、行ってみません、か・・・?」
珍しいナルからの提案
要領を得ないが俺は不思議と凄く気になった




