第2章-65
ダイザフでの座学や講義は
訓練校側が開くものと
生徒側が申請して開いてもらうものの2種類が存在する
初歩の座学等は訓練校が開くものだが
今回俺達4人でダイザフ訓練校に申請して受けさせてもらうのが
言語学だ
学びたい分野、学問の先生がダイザフに常駐していれば
先生の都合がつき次第申請が通り
時間割を先生と生徒で決めて受けることが出来る
先生を指名することも出来るらしいが
有名な先生になればなるほど申請はまず通らない
例えばタダッキニ先生に『工作』について座学を開いてほしいと生徒が申請しても
一生通らないらしい
だからそういう先生にはそもそも申請すらさせて貰えない
が
ナルはタダッキニ先生の工房に入り浸って色々と勉強しながら自分もあれこれやってるそうだ
ズル過ぎる
俺達に指名したい言語学の先生は特にいなかったので
4人一緒に受けたいこと
アプタン語をまず習得したく、ドオ語もなるべく習得したいということ
期間は未定
ある一定の水準まで習得出来次第終了
猶予は5年なので急ぎではないなどを書き込んで申請すると
割りとあっさり受理された
そして今日が初めての授業となる
教室は小さな部屋だが4人と先生1人であれば十分な広さだ
教室内に用意されていた椅子に座って待っていると
時間通りに入ってきた先生は女性だった
「揃っているな?今日から君たちに他所の言語を教えるサミカだ。しばらくの間よろしく」
サミカと名乗った先生は気取らない、ざっくばらんな性格をしてそうだ
「早速始めていきたいが、まずはアプタン語だったな。フォールポータイル大陸で主に使われている言葉だが、お前達大陸を渡りたいのか?」
「はい、『実践級』を学ぶために。ドオ語も俺達4人全員『狩人』になるために習得しておきたいんです」
「そうか、先に行っておくがアプタン語もドオ語も必ず話せないといけない訳じゃないぞ?その辺分かってるか?」
「分かっております、サミカ教諭。俺達はより、円滑な意思疎通を図れた方が良いと思って習得を目指していますので。また、多言語を学ぶことで知らない言葉を理解したいときにコツの様なものも得られる可能性があると思っています。サミカ教諭には是非、ただ単純に言語を指導していただくだけでなく、知らない言語を理解するにあたって必要なことも教えて頂きたく思います」
「おお・・・、そうかなら良いんだ。分かった、あたしが言語学のイロハを叩きこんでやるよ」
ルートが目的の一つを濁しながらも
先生の質問に答えつつ満足のいく返事をしてくれた
頭の切れる奴だ
「アプタン語だが、ここナインズ大陸よりデカくてで人も多いから癖のない言語と言われてる。世界的に見れば習得の難しい言語だが、隣の大陸なのもあって言語体系自体は大して変わらん。だから覚えるのにそんなに時間はかからんだろう。何ならナインズ大陸は地方に行けば独特な方言が多いから、フォールポータイル大陸の人間がこっちに来た時の方が難儀するだろうな」
二カッと笑っている
美人だが服装はだらしないし
喋り方もぶっきらぼうなので
なにか損をしてそうに見えなくもないが
逆に需要もありそうではある
何にせよ親しみやすそうな人で助かった
ナルはそろそろ気配も濃くなって来たので緊張も解けて来た頃だろう
俺達は基本的な挨拶から始め
発音の癖と言うよりは逆に矯正
言い回しの違いや
使う単語がそもそも違う点など
新しく憶えると言うよりは
違う点の洗い出しのようにしてアプタン語を学んでいった




