第2章-60
翌朝
タキが一人で鍛錬していた場所辺りに4人集まり
まずは怪我をしないよう充分に柔軟運動を行った
ルートが
「今日はどれくらい走るんだ?俺は体力にはそこそこ自信がある方だが、当然のように体力差はあるだろう?それぞれが個人個人で限界を攻めて走るのも悪くはないが、だとすれば4人こうして同じ時間に集まる意味は薄れる。何か考えはあるのか?クロス、タキ」
そう言って俺達2人の顔を交互に見てきた
俺とタキは顔を互いに見て
「タキ?」
「そうね」
意見は一致しているようだ
俺「今日はみんなで一緒に走ろう」
タキ「それぞれが全力で走りましょう」
・・・
顔を見合わせる・・・
「あの、4人全員の体力の底上げをしたいなって思ってて、」
「そうね、全員で走りましょう」
・・・
食い気味で返事をしてきた
まるで最初から同意見だったかのように
タキは腕を組んで俺の横に立ち
ルートとナルの方を向いて堂々としている
後は俺が全部話せと言いたいように見える
タキは無駄に口を真一文字に結んでいる
いいけどさ
面白い女だよ
「と、とりあえず俺とタキはお互いにどれだけ走れるのか分かってるから、ルートとナルに合わせて走ってみようかな。走りながら限界が早く来そうな人に合わせて走ってみよう。」
ルートは自信があると言って
ナルはあまり自身が無いと言っていた
ナルに合わせることになるかな
なんて思っていたが
いざ走り出してみると
一番最初にバテたのはルートだった
次にナル
そしてタキ、俺と言う順になった
ナルは意外にも結構体力があった
自身曰く
速度は出ないらしいが持久力はそこそこあるらしい
ルートはと言うと
「今に見ていろ・・・、俺がこの中で最も長く走れるようになってやる・・・」
息も絶え絶えに、そう息巻いていた
負けず嫌いは結構なことだ
ちなみに後々競ってみて分かったことだが
短距離走だとタキ→ルート→俺→ナルの順で速かった
「ルート、単純にだけど君はまず長距離においては自分の体力配分を一番に考えた方が良い。前を走りたい気持ちが先行してたけど、そのせいで無駄な体力を使っていると思うよ。」
「む、そうか。素直に助言として受け取っておく。次回は考えて走ってみよう」
「ナルはもうちょっと走る姿勢を正してみようか、多分だけど上手く呼吸が出来てない。前屈み気味に走ると肺に大きく息を取り込めないからね。性格もあるんだろうけど、もうちょっと胸を張って背筋を伸ばして走ってみよう。これだけでも走れる距離が延びると思うよ」
「か、かしこまりました・・・。し、しかしそうすると、ちょっとだけ走りにくい、んですよ、ね・・・」
ナルは恥ずかしそうに胸を隠した
10歳の割りには豊満な胸
おそらく揺れるのが恥ずかしくて姿勢が悪くなってるのもあるのだろう
タキは若干、瞳から光が消えたような眼をしてナルの胸を見ていたが
気を取り直したのか
ナルに近寄ってなにか耳打ちしている
「私の晒をあげる。激しい運動をするときには胸に巻いておくといい」
「あ、ありがとうございます~」
ヒソヒソと喋っていて何を話しているかは分からないが
ナルは有難がっているようなので放っておいて良いだろう
「みんなの体力もある程度分かったし、明日は速度配分も考えて走ってみよう。お互いに指摘できそうなところはどんどんしていって、より速く、長く走れる体力をつけよう」
これからの基礎体力訓練に向けて
出だしは好調と言っていいんじゃないだろうか




