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俺のスキルが使えない  作者: めん
第2章

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85/99

第2章-51

タキと食堂に向かった

「私の前を歩いて、こっちを振り返ったらダメ」

そう言われたので素直に従って先導している


タキは俺が思っていたよりも色んなことを考えて悩んでいたようだ

見た目が整っている点や

性格がきっぱりしているところから勘違いしやすいが

タキも10歳の女の子だ

多感で当たり前

おかしいのは俺やウェスタイロンの方なんだよな


気持に当てられて「俺が説得するから」とは言ったものの

今から会う2人にちゃんと説明できるかどうか

出来たとして受け入れてもらえるかどうかは分からない


だけど妙に自信はあった


説得できる自信と言うよりは

2人なら受け入れてくれる自身のようなものだ

なんとなくだが


後ろは見ないように注意を払いながら

食堂に着いた

何はともあれまずは昼食だと思い

食券を利用して注文する


タキはどうするかな?と思っていたが

いつの間にか俺の後ろを離れて好きなものを頼んでいた


・・・


まあいいさ

元気なら


さてどこに座ろうかと食堂を見回していたら

見慣れた顔がこっちを見ていることに気付いた


腕組みしながらしかめっ面でこっちを凝視しているのは

ウェスタイロンだ

何か言いたげだ


何も言われてないし

手招きだったりもないが

近くに座らなければ難癖付けられそうなので

正面の席に座った

俺の右隣りにタキが当然のように座った


ウェスタイロンの眉間には更に強く(しわ)が寄っていた

昼食はまだ食べかけのようだ


触らぬ神に祟りなし

もう遅いかもしれないが

とりあえず俺は昼を済ませたいので

飯に手を付けた

タキも隣で既に食べ始めている


チラッとウェスタイロンを見ると

飯が並ぶ前でこんこんと喋り出すのは(はばか)られると思ったのか

仕方なしと言った様子で自分の昼食を再開していた


飯を食い終わりたくないなと思ったのは初めてだった



しかし

奇妙なくらいに静かな食卓では

あまりにも円滑に食事が進み

期待よりずっとずっと早く食事を終えてしまった


さてどうしたものかと思っていたところ

タキが立ち上がり

「クロス、私が食器を下げて来よう」

「クロスぅ?」

「ああ、ありがとうタキ」

「タキぃい??」

「あなたの分も良ければ持って行くが」

「・・・。お願いします」


タキは仕事で培ったのであろう素早い手際で

ささっと片付けて持って行ってしまった


「いつ知り合った?」

「昨日、かな」

「・・・。まさか朝か?」

鋭いなこいつ

「ああ、たまたまな」


ウェスタイロンはこっちをじっと見ている


「まあそれはいい。で、なんで今日ここに連れて来た」

「それについてはちゃんと話すよ。でもナルが来てからにしたい、タキからも2人に話したいそうだ」

「タキ、ねえ」


お互いの名前呼びが癪に触っているのだろうか

さっきもそこに反応していたな


「クロス」

ウェスタイロンはさっきから続けていた

こちらを睨むような試すような視線はやめ

真面目な顔をしてこっちを見ていた


「ああ。2人に何の相談もなく勝手に俺の判断で連れて来たのは謝るよ。これから3人で大事な話をすることも決して忘れていない。」


・・・


「分かっているならいい。ナルが来たら移動するぞ。ナルは『工作』の工房で飯は済ませてくるらしいからな」

「そうか。ありがとう」

「ふんっ!」


納得してない所はあるが

まずは全てを聞いてからと言った感じか


2人でのとりあえずの話が終わったところで

タキが戻ってきた


「自分の分まで食器を片付けて頂いてありがとう。俺はウェスタイロン・ド・ルーテラグホン。あなたの名前をお伺いしても?」

「ええ、いつもやってることだから気にしないで。私はエカハ・タキ。よろしく、ウェスタイロン君」

「こちらこそよろしく。もう一人ここで待ち合わせているから、少し待ってもらえるかな」

「勿論」



・・・



妙な空気が流れている

居心地が悪い

ナル、早く来てくれ


ただ、ナルが来たところでこの空気が好転するかと言えば微妙だが

兎に角風が吹けば何でもいい


今は待つしかないこの状況

耐えられない


ウェスタイロンを見てみると

腕を組んだまま目を閉じている


タキはと言うと

外の景色を見ている


俺は・・・

天井の染みでも数えておくか

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