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俺のスキルが使えない  作者: めん
第2章

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第2章-44

ザオノーは吐き捨てるように言い

今回の開拓地点の管理者に引き継いでどこかへさっさと行ってしまった

やることはやってくれたから特に不満はないが

去り際に頑張れとか一声でもかけてくれたらいいのに

新人にも厳しい人なのかなと思った


引き継がれた管理者がこっちにやって来た

「君たちが今日初めて『開拓』業務に携わる新人達だね?私の名前はナイシア。ここの開拓地の管理を任されている。君達には早速業務に移ってもらうが、良い意味でも悪い意味でもここの仕事に適材適所は無い。非力だろうが肥満だろうが与えられた業務量、作業内容を人で判断はしないということだ。当然、女性であれ男性であれ、老人であれだ。しかし15歳以下に任せられる仕事には限りがあるので文句は言わないこと。では誰からでも構わないので、用紙を受け取ってくれ。」

言われた通りに用紙を受け取りに列を作る

俺は2番目に用紙を受け取ったが、作業地点と作業内容、1日当たりの作業目標が書かれている


「全員受け取ったな?全ての用紙に作業内容が書かれているが、全員が違う地点で、違う作業内容が割り振られているはずだ。誰がどの用紙を受け取るかは私に決められなかったことを憶えておいてくれ、作業内容が一緒に来た誰かよりきつくても文句を言われないためだな」

ニヤリと笑っている


「与えられた業務が終わったなら私の所へ報告に来い。その日の進捗度合いに応じて新しく仕事を与える、もしくは先に帰っても構わん。帰る場合は報酬を受け取れるように手配しておくからな。それでは作業に移ってくれ!作業内容の質問は同じ作業地点にいる先輩にでも聞け!」


ナイシアと名乗った女性管理者は

背が高く、ハキハキした声の力強さを感じさせる人だった

年齢は父と同じくらいじゃないだろうか?

作業服を着ているが、所々取れない汚れの様なものが染みついていた

彼女も今はどうか知らないが、「開拓」業務にかなり携わってきていたのだろうな


受け取った用紙には今日の開拓地点の簡単な地図が書いてあり

目印があるところが今日俺が作業する場所のようだ


今回の作業内容は道路舗装

ダイザフ周辺は比較的安全なので、作業内容は基本的に生活の基盤を整える業務が殆どらしい

遠くへ行くためには足元からと言うことだ


道路舗装と言っても

今回は橋の建設のための下準備を行うようだ

橋の規模は中型程度

細い川でもなく深く広い川でもない

木材と石を建材に使用するみたいなので

橋を架けるための土台整備、木材調達、石材調達に大きく分かれている


俺が今回携わるのは土台整備

橋をそのまま崖に架けても崩れる可能性があるので

簡単に崩れないように整備するようだ


更に細かく言うと

俺が今回やるのは、橋の下、つまりは川辺(かわべ)に溜まる土砂を運ぶ仕事


橋を架ける崖は一旦削り

砕石で足場をしっかり固めた上で石材によってなるべく平らにし

橋を固定できるように整備するようだ


結構大きく崖は削られているので

大量に土砂が川辺に溜まっている状態だ

大雨による洪水等も考慮したらなるべく早く土砂を撤去したいところだろう

多くの作業員が割り当てられている


一輪車の様なもので即席で作られたような斜面を登ったり下りたりして

人海戦術で作業を進めている


いいね

これだよこれ

頭つかわないで筋トレしながらお金も稼げる

素晴らしいじゃないか


やることは単純なので

無心で働くとしよう

そして作業に慣れたらスキルの集中訓練だ



とか思っていたが

何のことはない

くたばりそうなくらい作業はきつかった・・・


体力はあるが

筋力が無い


大人達の筋肉隆々の腕や体つきを見ていれば

それだけの腕力が必要な業務だということは火を見るより明らかだった


対して俺は10歳のガキ


細っこい腕では今日の与えられた業務を達成することも難しいかもしれない


腕も脚もプルプル震えている

まだ昼休憩の時間にもなっていないというのに・・・


一輪車にこんもり積まれた土砂の重いこと重いこと

湿っていたり

岩を含んでいたり

重くなる要素が多ければ多い程

*円匙(えんし)で一輪車に土砂を入れてくれる作業員を呪いたくなる


最初はなだらかな傾斜かと思っていた川辺から続く坂道も

一輪車を押して登るとまるで壁のように感じられた


横を通り過ぎていく筋骨隆々の大人たちからは

「頑張れ頑張れ~」と

笑いながら励まされたが

返事する余裕など微塵もなかった


舐めていた

俺は単純労働と言うものの凄まじさを

*円匙(えんし)=土砂や雪の掘り起こし・すくい作業に使用する先端が尖ったさじ状の工具

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