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俺のスキルが使えない  作者: めん
第2章

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第2章-43

部屋に戻り、汗を流して準備をする

ウェスタイロンも既に起きて同じく準備中のようだ

「今日はどうするんだ?」

(たず)ねてみると

「『運搬』の座学を受けてくる。うちの家業にも深く関わる仕事だからな、より詳しくなる必要がある。おそらく座学で得られる様な知識は既に俺の知ってる範囲かも知れんが、ここにおられる先生方は皆優秀と聞いているし、実情を体験することも重要だ。お前も来ると良い」

と誘われたが

「俺は早速『開拓』の仕事をして来るよ。運搬は次回の座学があるときに行こうと思っているから今回は遠慮しておく。」

「そうか。ナル程ではないが、俺も『運搬』についてはあらゆる知識を持っている。お前が共に来れば、俺の知識がお前の学習の大きな助けになっただろうにな。勿体ないことだ」


そう言われると確かにとも思えてくる

しかしナルも座学中に喋り倒してたわけではない

終わってからと夕食の時に色々聞いたのだ

ウェスタイロンと座学に行ったとしても、先生の話してる中ウェスタイロンにあれこれ聞くのは出来ないだろうし

まあつまりはこいつも一人で行きたくないだけだろう


「残念だが今度またいろいろと教えてくれ」

「ふん!機会があればな!」


誘いに乗ってこなかったのでやや気分を害した様だ

部屋からさっさと出て行ってしまった

それでも今回の機会損失に対して「次など無い」とまで言わない所が

ウェスタイロンの心の底にある優しさが垣間見えた気がした


何となくだがウェスタイロンのことが分かって来た

理解すると皮肉も可愛く聞こえるものだ


それはそうと

俺も早く出ないと集合に間に合わなくなる

「開拓」等の肉体仕事系は現場作業なので

移動時間も考慮すると朝が基本的に早くなる


まだ座学が始まるにはかなり早い時間のはずだが

ウェスタイロンの奴はどこに行ったのだろうか?

まあいい


俺も急いで集合場所に向かった



集合場所はタキと待ち合わせた所と真反対に位置した

割りと時間ギリギリに着いたはずだが

意外にも人はそんなにいなった


俺が到着すると

「今日参加予定の最後の一人が揃ったようだな。集合時間にはまだ早いが、ここで時間を潰す意味もないので早速出発するとしよう。『開拓』が行われる地点へ案内するザオノーだ。道中何か質問があれば自由にしてくれて構わない。それでは出発する」

ザオノーと名乗った男性は簡潔に説明してすぐ歩き始めた


有無を言わさずの出発だったので

もう少し色々と説明があるものだと思っていた俺は

質問は自由にしていいと言っていたので聞いてみようと思って近づいてみたが


「本日ここに集まっている者は数名だが、『開拓』地点へは既に作業員たちが集まって仕事を始めている。ここにいるのは今日が初めて『開拓』へ参加する者だ。場所を憶えたら次回からは各自向かう様に。そして更にその次の『開拓』へ参加する場合は、既に決まっている開拓予定地へと、その日の時点で作業が割り当てられる。帰宅する前に次回参加の申し出をし、作業地点を忘れないように。」


勝手に喋り出した

いくつかの疑問が解消したが

もう少し聞いてみたいこともある


「ここナインズ大陸は比較的安全で、ダイザフ周辺などはより安全ではあるが、脅威が全くない訳ではない。小型の脅獣はどこにでも現れると思って行動するように。基本的に陸を移動する脅獣が現れる心配はないが、地中または空中の全てを検閲するのは不可能だ。よって、そういった種類の小型脅獣への対策はこれから説明する」


やはりザオノーは勝手に喋ってくれる

移動が終了する頃には全ての疑問が解消してそうなので

問いかけて邪魔をしないようにしておこう


「地中に生息する小型脅獣だが、陽の光に対して強くない種が殆どであるため、日中に行動する分には心配しなくていい。夜間は逆に危険性が増すが、君達15歳以下の作業員には夜間作業が禁止されている。なので今は省略するとしよう。」


15歳以下は成長の妨げになる様な仕事、作業を禁止されている

例外はあるらしいが

これらは16歳以上の人間達が協力してそうさせない様な環境作りをしているようだ


「空中で行動する小型脅獣だが、これらに関しては監視員から即座に警報が届く。指示があったらとりあえず伏せることだ。伏せておけば飛翔する小型脅獣に我々を害する手段は殆どない。また、そもそも邪魔になりそうな背の高い木々は既に伐採済みだ。飛行する脅獣も体力は無限ではないからな。木々に止まって休憩させるのを指を咥えて待ってやる必要がなくなるように、我々人間が地上から何かしらの手段で届く程度の高さの木々しか植えられていない。なので伏せて待っておけば待機している狩人や、専門家たちが討伐してくれるだろう。」


完全な安全圏はないが、自身の安全を守る手段は確立されているようだ


「飛翔する小型脅獣の最も危険な攻撃は、急降下して硬い(くちばし)や翼、爪で我々の身体に突き立てる行動だ。しかし地面にそのまま激突するほど馬鹿ではないので、ある程度の高さで上空に(ひるがえ)っていく。だから伏せていれば問題はない。しかしもし群れで襲ってきた場合は特に気を付けるように。集団で襲ってくる時点で多少の知能があり、連携を取ることがある。我々が反撃する暇を与えないように順々に急降下してくる種だったときは、とにかく脅獣が疲労して諦めるのを待て。もし、地面に降り立ってきた場合は即座に走って逃げろ。追いかけてきたらまた伏せての繰り返しだ。」


「当然だが、飛翔するためには体重が軽くなければならない。降り立ってきて(ついば)みや爪による引っ掻きは、痛いし肉も削れるが攻撃が軽いので死ぬほどではない。しかしもし毒を持つ種類だった場合は相当に厄介なことになるな。だがこのダイザフ周辺では確認されていないので安心しろ。」


ザオノーは説明が終わったのか

その後は黙って歩き続けている

俺達数名は後を続きながら、知り合った仲の人間同士では先程聞いた脅獣について話しているようだった


俺はある程度の疑問が解消されたので黙ってついて行った



しばらく歩きザオノーは

「もうそろそろ到着するが、今回の開拓地点では小型の飛翔脅獣の姿が確認されていると監視員から報告があった。警報を聞き逃さないよう注意して作業に取り組む様に。そしてさっきの説明を忘れるな」

と我々に振り返って言った

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