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俺のスキルが使えない  作者: めん
第2章

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第2章-25

走りながら

早く戻りたい気持ち

しかし早く戻っても本末転倒だと言う冷静な感情

では距離を延ばしてみるか?

それだと間に合わないかもしれない

なら速度を上げるか?

いやいきなり無理をして明日走れなくなったら意味がない


理想を言えば

ちょっとだけ予定よりも頑張って

しっかり走りこみながら良い感じの走路も開拓し

帰ってきたところで丁度あの給仕の子も訓練を終えてばったり

そこで軽く自己紹介しながら

今後の予定を教え合う


なんてことを妄想しながら走っていたら

自分がどこを走ってるのかよく分からなくなっていたので

慌てて元居た道に戻った

速度配分も乱れがちだ

飛ばしているのか遅れているのかさえ分からない


これでは不味いと

速度配分と残り体力を見直し

走りたい道を検討することに集中し直す


いけないいけない

相手(?)は俺よりはるかに先に行っている

仕事も既に見付けているし

早朝の訓練も日課にしていそうだ

何よりあの練度

素人が見てもかなり高度なものだと分かる


俺はあの子と比べてずっとずっと遅れている


焦る気持ちが出て来た

しかし()いては事を仕損じる

何事も着実に、だ

自分に出来ることは限界が当然ある

出来ることを管理、把握して

限界を見定めて無理や怪我をなるべく減らして可能な限りで頑張る

それしかない


ウェスタイロンのことはまだよく分からないが

今朝も「同じことを考えていた」と言っていた

侮れる相手じゃない

別に何かを競っている訳じゃないんだが


自分でも言ったことだ

今すべきことが何か?


今するのは走ることに集中して

基礎体力を作ることだ


大丈夫

誰よりも遅れていると言う訳ではない

上には上がいるだけだ

一歩一歩

確実に



集中し直して

いつの間にか走り戻ってきていた

結果的に良い走り込みになった

やはり刺激を受けたのが大きそうだ


息を切らしながら

あとは歩いて呼吸を整えつつ心拍数を押さえて整理運動といこう


陽も登り始めた頃合いで

先程給仕の子を見た場所に戻ってきたので

まだいるかな?

とそちらの方を見てみたが

残念ながら既にいなかった


はーっ

と大きく溜息をついて

まあ、また機会はあるだろう

明日もここ通ろうかな?


なんてことを考えながら通り過ぎた



しかしそんなクロスを反対側から見ていた者がいた


給仕の女の子だ

自分が訓練していた場所から、クロスが走った道を挟んで逆側の方に移動して

隠れて様子を伺っていたようだ


武芸に秀でていたが故か

視野が広い

訓練を行いながらも周囲に気を配っていたので

クロスが自分の訓練中にこちらを窺っていることには早い段階で気付いていた


しかし見られることにはなれている

話しかけられたりして邪魔されたら嫌だな

なんてことを微かに思っていたが

相手は遠目から自分を邪魔することなく見ているだけだ

そして暫くしたら走り去ってしまった


ご飯やさんで仕事をしているときもそうだが

訓練校内でも(しき)りに話しかけられて正直鬱陶しがっていたので

逆に近づいてこない者に違和感を覚えていた

それで憶えていた2人組のうちの1人


短くない自分の鍛錬時間を終えたものの

未だに戻ってこない先程の人物


自分の訓練が軽い運動なわけではないものの

走るよりも体力は減らない

だから自分が訓練を終えるよりも早く戻ってくるものだと思っていたが

まだ帰ってこない


別の道から戻ったのかな?


何かあったかもしれないと言う若干の心配の気持ちと

もしかしてまだ走っているの?という興味が彼女を逆側から待ち伏せする(?)と言う行動をとらせた


その間にただ待つだけでは暇なので

木陰で動かし身体を解していたところ

ようやく戻って来たのを見つけた

何かあったわけじゃないんだ、よかった


なんとなくだが木に隠れる

気配を消すのは結構得意な方だ


あの人はさっき自分がいたところに少し近付いてキョロキョロしていた

捜しているのかもしれない


ちょっとだけ出て行こうかとも思ったけど

自分が逆側に移動していることと

木に隠れていることの理由を説明できないことに気付いて

やめた


程なくして

その人は訓練校の方へと歩いて戻って行った

全身から湯気が立っていたのを見ると

今の今まで走っていたことになる


息はかなり上がっていたけど

これまで同年代で運動面で後れを取ったことが無かった彼女は

クロスの運動能力に対して興味を持ち始めていた

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