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俺のスキルが使えない  作者: めん
第2章

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第2章-24

今日も昨日と同じく早めに起きる

ウェスタイロンの様子を見てみると

昨日のように息遣いが荒かったりはしていないようだ

ゆっくり寝ている様なので今日はそこまで看病する必要もないだろう


朝飯時には戻ってくるしと

今日からは早朝の走り込みを開始したい


昨夜少しだけ校外を走ってみて

良さそうな走路を見繕っておいた

今日はそこからさらに距離を伸ばしてみたい

いい景観の道が見つかればいいな


あまりうるさくした覚えはないが

準備の音にウェスタイロンが目を覚まし

上体を起こしている

頭に手を当てながら

「運動しに行くのか?俺も同じことを考えていた。昨日の分も取り返さなければならないし、お前に後れを取る訳にもいかないからな。」

そう言って自分も起き上がろうとしているが

少しよろめいている


見ただけで分かる

まだ全然本調子ではない

起き抜けだと言うこともあるかもしれないが声にも覇気がないし

顔色も優れているとは言えない

まあ明かりは点けてないので表情から何となく程度でしか分からないが


「お前まだ身体の調子良くないだろ?無理せず今日はまだ休んでおけよ」

「それはお前が決めることではない」

「無理してぶり返されても困るんだよ。昨日誰が面倒見てやったと思っているんだ?頼まれたわけじゃないが、同室のお前が調子悪そうにしているのを無視するのも寝覚めが悪いんだよ。今すべきことが何なのか、間違える奴じゃないよな?」


そう言うとウェスタイロンは押し黙り

部屋の調理器具で湯を沸かし始めた


それを見て俺も準備を再開し

運動用の靴を履いて準備運動を軽くした後

「お前なら2、3日の遅れくらいすぐ取り戻せるんだろ?焦るなよ。俺は先に行かせてもらうけどな!」

「フン!さっさと行け!」

沸かした湯をまだ熱いまま啜って飲んでいるウェスタイロンを横目に

俺は部屋から出た


外はまだまだ日が昇らない様子で

ヒンヤリして走りやすい気候だ

これまでも運動を怠っていたわけではないが

これからは自分を高める為の時間を存分に使える


けど今日の所は体力測定目的でやろう

いきなり無理をして怪我をしても元も子もない

昨夜見つけた良さそうな走路の方向へゆっくりと走り出した



早朝は人気(ひとけ)がほとんどない

夜もどちらかと言えば騒がしくない程に人が少ないが

日中の日が出ている時間との差が大きいように感じる


街の中心から外側に行くにつれて夜間に行動する人が増えて行く

飯屋と飲み屋で賑わっているので

美味しそうな匂いがそこら中に漂っていて

朝方になってもまだそんな匂いはやや残っているほどだ


走り始めたばかりだが

若干お腹が空いてくる

帰ったらしっかり食べよう

昨日は軽めにしたからな


一昨日の夜に飯屋でたらふく腹に詰め込んだのを思い出した

そこで会った給仕の子も


昨日はウェスタイロンの看病で思うように行動出来なかったから

どこかでまた会えたら予定でも聞きたいな

なんてことを考えながら校外へ抜けようとしたところ


鋭く空気を切り裂くような音が聞こえた気がした


気になってそっちの方向に目を凝らしてみると

長い棒状の物を振り回している人間がいることに気付いた


そこそこの距離がある

周囲にも人がいない分静かな中だったのもあるが

これだけ離れていても聞こえてくるくらいには鋭く振り抜いているようだ


ちょっと寄り道

と思って遠目で見学させてもらった


少しの間見させてもらっていたが

俺が見始めたのは

恐らくその人もまだ開始して間もなかったのだろう

最初の方は大きく振るようにして身体の筋肉を伸ばしたり動かしたりするのが目的だったように見える

時折するどく、確認するようにゆっくり大きく

そしてしばらくすると動きが本格化していき

『型』の様な動きが多くなった


動きが洗練されている様に感じた

俺は槍術や棒術と言った類は全然からきしだが

そんなど素人が見ても美しく見えた


型の流れの様なものを見ていると

踊っている様に見えるほどだった


そして動きに感服していていると目も暗がりに段々慣れてきて

その人物があの給仕の子だと言うことに今更気付いた


「(えっ!!!?)」

声が出かける

すんでの所で何とか抑えられた


まさか同じ人に2回も見惚れるとは・・・



声をかけるか?

いや、邪魔するのはだめだ

今は集中している

それにあれだけの動きが出来るのは相当に修練を積んでいる証拠だ

負けちゃいられない


せめて走り終わって帰って来たときにまだそこにいて

終わってそうだったら声をかけよう

そうしよう

うん


(よこしま)な考えを首を振って吹き飛ばし


俺も本来の目的を果たすために元居た走路へと戻ることにした

あの動きはまだ見ていたかったが・・・(泣



しかし良い刺激を受けた

多少時間は食ったものの

余りあるほどの有意義な時間だったし

これからの自分のやる気にも強い促進剤になった


無茶をするつもりはないが

気合を入れ直して走ることにした




給仕の女の子は

遠くを走り去るクロスに気付いていた

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